こんなこと、いつもしないことだから変に思われるかもしれない。
でも、なんか今日の私は変だから。
「…ゆーりィ〜?」
「うん?」
「うん?じゃねぇダロ。」
清春くんが、困ったように眉を寄せて、でもすごく柔らかい声色で私の名前を呼ぶのはいまこの私の行動のせい。
私が座っている清春くんの正面から手を回して抱きついているから。
「なんかあったンか?」
「……ないよ。」
清春くんのお腹に顔を埋めているから彼の顔はみえないけど、たぶん柄にもなく困った顔してるんだろうなっていうのはわかる。
違うよ、本当になんにもないの。
ただこうしたかっただけ。
でもそんなことは言えないから、その代わりに回した腕に力をこめる。
「…ハァ、ったく。」
私の無言のメッセージが届いたのか、ため息をついた清春くんはくっついている私を自分から離す。
「悠里チャンはいつまで経っても甘えたダナァ?」
「……」
いつもはムカつくからかい言葉もいまはもう全部が私の頭を溶かす魔法の言葉みたいで。
私はただ、こくんと頷くことしかできない。
「…あーもう、本当にテメェは!」
そんな私の目をみたあと、清春くんはそっぽを向いて私の目を自分の手で覆ってしまう。
「…悠里、それわざとか?」
真っ暗な中で清春くんの声が聞こえて、そしたらやっぱり清春くんの顔も見たくなって、目の前の大きな手を両手で外した。
「……離れちゃ、いや。」
なにを言おうか、なんて言ったらいいのか、そんなのわからなくてとりあえずもっと清春くんにくっついてたいことを伝えてみる。
「……っ」
そうすると目があった清春くんが息を飲んで、その瞬間にぐいっと強い力で引き寄せられる。
「もーオマエ今日はダメ、離さねェから覚悟しとけヨ?」
耳元で擦れて聞こえる大好きな声にやっぱり私は頷くしかできなかった。
これからあまいおやつの時間
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えり様
大っ変お待たせいたしました!
甘える悠里先生と甘やかす清春です!
なんか甘えるっていうか悠里先生が子供みたいになっただけでした;すすすみません…!
リクエストありがとうございました!
ありな
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