(※子供捏造注意です)









「キヨーこっちー!」

「ってェナ、ひっぱんなヨ」



夏が過ぎて涼しくなったっつってもまだあちィ日中。

ンーな中、俺サマはなにしてっかというと、




「おれキャッチボールしたい!」




まぁ、いわゆる子守りダ。



「ケッ、一人でやっとけ。」

「ひとりじゃできないよ!」



悠里のやつがいきなり提案したのは、公園デビュー。
公園で父親友達っつうのを作ってこいとかなんとか言われてこの生意気なガキを連れて公園にきた。

なんダヨ、父親友達って。




「ゆーりにキヨと遊んでやれっていわれたもん。」

「ウッセェ、それ逆だろ!」

「やろうよー!」



ちっせぇ身長のくせに俺サマの目をしっかり見据えて主張してくるコイツは、最近ますますアイツに似てきたとおもう。



「つぅかそんなスペースねぇだろ。」

「んー…」



昼間の公園なんか子連れがわんさか居てボールを投げれるスペースなんかねェ。


仕方ねぇから、広い場所をキョロキョロ探すコイツと一緒になって辺りを見渡すと目に入ったバスケットコート。





「オ、いーもンあるじゃねェか。」

「あ、キヨどこいくんだよー」




バスケットコートに歩いてくとコイツも野球ボールを持って付いてくる。



「それ貸してみ」

「これ?どうすんの?」



片手に納まるボールを投げればネットにすっぽり入る。



「わ!すげーキヨ!」

「キシシッ!俺サマを誰だと思ってンだよ」



目をキラキラさせながら騒ぐ姿に気をよくした俺サマはそこらへんに置いてあったバスケットボールを手にとる。




「バスケすっか?」

「!す、する!」

「ンじゃー取ってみろ。」











やったこともねェバスケに戸惑いながらも必死についてくるコイツを見て、柄にもなく俺も楽しんでボールを転がす。



「ハァッ、ハァッ、」

「ヒャハー!もう音あげたンか?」


指先でぐるぐるとボールを回せば、息を整わないままに向かってくるチビ。


ったーく、ホントどこまで母親そっくりなンだよ。



「っ、子供相手におとなげないぞっ!」

「なンでも言ッてろガキ!」



ギャラリーも集まってきてっし、もう一発シュート決めてやっか。

そう思って体を反転させた瞬間。


「オワッッ!!」



いつの間にか解けていた靴ひもを自ら踏んで前のめりになる。

っつうかコレは確実に解けられたもんで。ンな子供騙しの悪戯を仕掛けンのはモチロン。




「いっただきィ〜!」


その隙に俺サマの手からボールを奪ったやつの顔はニタニタ笑ってていつか見たような悪戯顔。



「テンメー、やりやがったナ!?」

「きししーっ!しーらねっ!」



今まで俺の手中にあったボールは今や憎たらしく自分の口真似をする息子の手の中。



「おれの勝ちー!」

「誰が勝っただと?アー?」

「ゆーりにほめてもらうんだ!」



いきなり上機嫌になってバスケットコートから走っていくチビの後ろを追い掛けて、次はどンな芸を仕込んでやろうかと口元を緩めた。




















(いつかキヨをこえてやるんだ!)
(キシシッ!ンなことさせッか!)





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