思ってもみなかったゼ。
この俺様がよりによってあんなトロくせぇブチャイクにだなんて。
「清春くん!ちゃんと聞いてる?」
「アー?聞いてるっつーの。」
「じゃあちゃんと答えてよ。せっかく補習にでてくれたんだから。」
補習だって最初はかったるくてしょーがなかったけどォ?俺様は気付いちまったんダヨ。
「おーワリィワリィ。もーいっかい問題言えヨ、ブチャ。」
「もう!ブチャじゃないってば!monopolyの意味。」
俺様が補習を受けるたびにうれしそうにするお前。
「ンー、なーんだっけなァ?」
「清春くんならわかるわ!」
俺の名前を呼ぶお前。
「たーしか、あれダロ?」
「もう少しよ、清春くん!」
このブチャイクな女教師に、きっと俺様はすっげぇハマってんだ。
(ガラッ)
「南先生、ちょっといいですか?進路相談のことで…。」
「え?あ、ならちょっと廊下で待っててくれる?そろそろ終わりにしようか、清春くん。」
この俺様を差し置いて他の奴の進路相談?
「……させねー。」
全部気付いちまったんだっつーの。
「清春くん?」
「キシシ、わかったゼェ?monopolyの意味。」
「わかったの?ってちょっと清春くん?!」
「んーだヨ。」
「手、離してくれない?」
「離すかバーカ。お前はいま俺の補習担当してんダロォ?」
だから、他の奴のトコロになんか行かさネェ。
「え?そ、そうだけど…。」
「つーまーりィ、monopoly(独り占め)なんダヨ、俺様の。」
お前の喜ぶ顔、俺の名前を呼ぶ声、もうぜーんぶにハマって抜け出せねェんだ。
俺様をこんなにした責任は取ってもらうぜ?モチロン愛のたーっぷりこもったァ、悪戯でナァ!優しくなんてしてやンねー。
だっから、早く俺様だけを見ろブチャイクめ。
(清春くん、ちゃんと思い出せたじゃない!)(俺様のセリフはスルーかヨ!)
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