ジリリリリリ――――……


12月25日 01時30分

深夜の濃密な闇に、不愉快な警報が鳴り響いた。



クリスマスパーティーで疲れ切った身体を天蓋付きのベッドに預け眠りに落ちていた俺は、苛立ちながら部屋のノブを捻った。


「…どうしたミカエル。」

「ああ、景吾様!何者かが邸に侵入したようです。危険ですから、侵入者を確保するまでお部屋に隠れていて下さいませ。」

「侵入者…ね、」


バタバタと騒々しく始まったクリスマス。今日だってパーティーだ。多分、昨日のイブのパーティーよりも疲れるだろうに。こんな夜に侵入者なんて。迷惑甚だしいな。


「サンタクロースとか言うなら笑ってやるぜ。」


なんて冗談じみた独り言を言い、後ろ手にドアを閉めると。あーあ、本当、馬鹿じゃねえの。


「メリークリスマス、景ちゃん。」

「……は、」


窓の縁に座る、サンタクロースを思わす赤い装い。忍足は月明かりに照らされながら、優しい、優しい微笑を湛えていた。




「…サンタクロースは、静かに現れるもんだろうが。」

「勘弁してえな。跡部さん家は例外や。」

「ふん。本当…、出来損ないのサンタだぜ。」


赤い衣装に身体を預ければ、そのまま甘いキスをされた。




「ええクリスマスプレゼントやろ?」

「ばーか、」


胸倉を掴んで言い放った。







「足りねえよ。」










サイレント・ナイト









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