※純粋に忍跡が好きな方にはお勧めしないお話です。若干跡忍です。2人とも精神狂ってます注意。
























カシャン、カシャン、



「景ちゃん、なあ。これ外してや、なあ景ちゃん聞いとる?」



なあ。









絶愛酸欠心中








「痛いねんこれ、早よ外してや」

「黙っとけ」

「外してくれんと黙れへんわ」

「黙れ」

「景ちゃん、酷いわ」


忍足は両腕にはめられた手錠と片足を繋ぐ足枷を五月蝿く鳴らしながらぶつぶつ呟く。


「鍵は捨てた。お前の拘束は解けねー」


残念だったな、と腹を蹴ると忍足は気味悪く笑った。


「ふふ、ふは、あははっ!何やの景ちゃん、そんなに俺が好きなん!?アホちゃうか!?こない拘束しとったら抱いてやれないやかっ、あは、あははっ」

「黙れっつってんだろ!」

「なら黙らせればええねん、その可愛ないことしか言えへんお口でなあ?」


くつくつと、忍足は嗤う。可笑しくて仕方がないというように。


「なあ景ちゃん愛しとるでえ?キスしてや景ちゃん」

「嫌、だ」

「ふふ、今躊躇ったなあ?」


ニヤニヤと手錠の鎖を俺に絡め猫のようにすり寄ってくる。


「自分の立場を分かったらどうなんだ」

「わかっとるで、充分に。俺は景ちゃんの愛猫ってとこやんなあ」

「…は」


忍足は俺の唇を嘗めた。


「は、お前のその口は随分と厭らしいことばかりを吐くらしいな」

「なら塞いでや」

「ギャグでも嵌めてやろうか?」

「お好きにどーぞ」


噛みつくようなキスをする。舌に歯を立ててみれば血の味が口内を満たした。


「なあんや、悪趣味やなあ」

「手錠も枷も外す代わりに首輪でも付けてやろうか」

「鍵捨てたんとちゃうん?」

「ありゃ嘘だ」


また忍足はくつくつ嗤う。猫のように唇を歪める。









「景ちゃん、なあ。一緒に死のう」

「心中か。この密室でか?」

「おん、嫌か?」

「俺は、俺達の美しい最期を大勢の豚共に見せつけ一生崇めさせてえな」

「神にでもなったつもりなん?自己陶酔もほどほどにせえ」


忍足は滑稽だと心底腹立たしい顔をした。その顔こそが滑稽だ。


「俺達は愛で死ぬんだ」

「ディープキスして酸欠で死んだりすんのん?」

「ああ、それでもいいかもな」

「する?」

「構わねーよ」












(跡部、死ぬのは怖くないん?)



(死はゴールだ。恐れる訳ねえ)



(さよか。なら、付き合ってや)









人の業とは何だろう。

人はどうして生きるのだろう。

どうせ、死ぬというのに。

生きる必要などあるのだろうか。

(それはね、)

(死ぬために生きるんだよ)

じゃあ、愛は必要なものなの?

(そうさ、愛がなければ)

(その死が虚しくなるからさ)

なら、愛で死ぬのは良いこと?

(そうさ、それで報われる)



愛 が 伝 説 に な る の さ 。









- f i n -







[atogaki]気持ち悪い位愛し合ってる忍跡です。わたしが思うにこの話甘ったるいのですが、気持ち悪いだけでした。


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