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部活はいつもと変わらない様子だった。



やはり皆忘れてしまっているのだろうか?


柄にも無く不安になる。


もしこれが、ただのクラスメートなら大して気にしなかっただろう。


でも、この部活のメンバーは俺にとって、―――




不意に肩を叩かれて、意識が周りに向く。

どうやら自分の世界に入り込んでいたようだ。


「蓮二、ちょっとこのトレーニングの事で話があるんだけど……、今いいかな?」



どうやら俺の肩を叩いたのは幸村だったようだ。


「あぁ、構わないぞ。」

「そう、じゃあこのランニングの所だけど……」



幸村の差し出したプリントに目を通し、話に耳を傾けながら、俺はまた思考を巡らせる。



「……じ、…んじ……
蓮二!!」



また意識が飛んでいたようだ。プリントから顔を上げて幸村を見ると、心配そうにこちらを見ていた。


「どうしたの蓮二、さっきからぼーっとして、具合でも悪いのかい?」

「いや、そういう訳ではないが……」


「顔色も悪いし、しばらく休んでいた方が良いよ。」

「大丈夫だ、問題無い。」

「大丈夫じゃないよ。最近一段と暑くなってきたし、用心しなきゃいけないよ。」


そのまま連れていかれて木陰のベンチに座らされた。

「ここで大人しく座っていてね。」


そう言っていったん何処かヘ行ってしまった。



それを見送ると脱力して顔を手で被って溜息をはいた。



駄目だなぁ……、落ち着かないと。








――――――――
―――――――
―――……



ふと意識が浮上する。


気付いたら寝ていたようだ。
周りにはもう部員は居ず。俺だけがぽつりとベンチに座っている。



もう部活は終わったのか……。


取り合えず立ち上がり、部室まで歩いていく。


流石に誰も居ないということは無いだろう。
幸村辺りが残っているはずだ。



何時も周りには見せないような気怠げな動きで部室まで歩いていくと、


ゆっくりと扉を開けた。




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