第四話
勧誘を始めて一週間。良い加減この進展の無さに苛立ちを隠しきれなくなってきた。


「なあ、どないする?そろそろネタも尽きてきおったし」

「もういっそのこと土下座でもしたらええんとちゃうか?」

「アホ言うなや!俺と小春が負けるわけないやろ!絶対笑わせたるわ!!」

「うーん、せやけどほんまに笑わへんのねぇ。まあ、そんなとこもステキやけど、
自信失ってまうわぁ」

「小春ぅ、浮気か?浮気なんか!?あんなやつおれらでコテンパンに笑わしたろうや!」

「どっちにしても、そろそろ仮入部してもらわんとあかんし、はよ決めんとあかんなぁ」

「せやねぇ、どないしたらええかしら」

「シカトせんといてぇなっ小春うぅっ」


………いい加減うざい。

正直ここまで長引くとも思ってなかった。
めんどくさい。
大体こいつらもこいつらだ。いい加減真面目に勧誘したらどうなんだ。
いつから俺たちは漫研部(漫才研究部)になったんだ。テニスについて少しも語って無いじゃないか。冗談も大概にしろよ。



「……俺ちょっと行ってくるわ。自分らは先に練習初めとってや」

「何言っとんねん、俺らも行くわ」

「ええよ。勧誘せなあかんのも確かやけどそれで練習できんくて負けましたとか言い訳にならんやんか」

「……わかったわ。ほんなら先行っとるからな」

「おん、まかしとけや!絶対に連れて行ったるからな」


「ほんなら期待せんで待っとるわ!」






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