「せーんぱい!」
そう言って後ろから抱き着かれて
犯人はお馴染みの真波くんだ
荒北くんに不思議チャンと言われる彼の行動は本当に不思議で
全然寄ってこない時もある癖に
そうじゃない時の甘え方は本当に何とも言えない位で
「なーに?とりあえず離れようか?」
「え〜!じゃあとりあえず離れるんで」
「うんうん」
「前から抱き着かせて下さいね〜」
と離れてくるりと向かされてそのまま真波くんの腕に閉じ込められる
「こら、離れなさい!!」
「えーさっき離れたしー!それよりも先輩いい匂い」
真波くんがスンスンと私の髪の匂いを嗅いでいるのがわかって恥ずかしくなる
「ちょっと嗅ぐな!もう離れて!」
少し強めに言ったら
「嫌でした?」
と眉を下げてのぞき込んでくるもんだから、私は何も言えなくなる
その顔に弱いんだよ、私…
「嫌とかじゃないけど」
「なら大丈夫ですね!良かった〜あー、落ち着くなぁ」
とまた抱きしめられたけど、結局私は甘いからそのまま何も言えずに真波くんの気が済むまで大人しくしていたのだった
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