あかん2

ワイは何日も前から悩み悩んで…寝不足や

アオちゃんの誕生日、どうしてもいい日にしたいんや

ワイの誕生日の日に彼女になってくれたアオちゃん
ワイの最高の誕生日プレゼントやったな

やで、アオちゃんの誕生日も最高やと思ってくれる1日にしたいねんな


せやけど、あんまし思いつかんちゅーか…
け、経験値が低いとかちゃうねん!
そんなんちゃうねん!いや、経験豊富やないけどな…
って!そんな事はどうでもええやろボケ!

生憎周りは参考にならなそうな奴らばっかやし
強いて言うなら手嶋さんなら…いや、ええわ
そんなん人に頼ることやない

ちゅーわけで、ここはググるしかないな!!

…なんやねん、情報が豊富すぎて訳分からん

薔薇の花を100本?
ほう、女子は花が好きなんか…ロマンチックやんか
…高ッ!薔薇高ッッ!花って高いんやな…
小遣い足らへんから却下やな

指輪…ネックレス…
女子は光り物が好きやねんな。クラスの女子も言うてたわ
なんやブランドがよっけあるんやな…
女子の欲しいブランドTOP3??参考になるわぁ
高っ!ゼロひとつ、2つ多いで!!多いわ!
なんやねん、バイトしてへん小遣い制のワイには厳しいやんか…これも

服?かばん?そんなん趣味わからへんし…
ワイが選ぶとデーハーになるからなぁ

ぬいぐるみ?
こないだゲーセンでぎょうさん取ってあげたやんか
ベッドの周りぬいぐるみだらけやで今

なんや!何がええんや…
さっきググッたのに書いてあるようなプレゼントが出来たらええんやけどな

背伸びしたってしゃーないんはわかっとる
せやけど、女の子が好きやーちゅーのあげたら喜ぶんかなぁって

アオちゃんの笑顔を思い浮かべたらな…
見栄っ張りや笑われたってかまへん

何となく、帰る道を変えてみた
そしたら何か思いつくかもしれへんし

ふと目に入った雑貨屋さん
普段なら素通りするやろうって位ワイが入る事ない可愛い店な

そこの店の前のボードが目に入ったんや

これや!と思ったらオレはその店の前のドア開けてた


細かいことは得意とは言えん
せやけどな、アオちゃんなら喜んでくれるそんな気がするねんな


数日かけて準備して、ついにこの日を迎えた

しかもやで?アオちゃんの誕生日の瞬間
所謂ジャスト24時
まさかのワイの隣におるから

「アオちゃん、お誕生日おめでとうな」
「鳴子くん!ありがとう」

ギューって抱きついてくるアオちゃんが可愛すぎて…あかん、抑えやなあかんで!!
まだ今日は始まったばかりなんや!!

1番におめでとうが言えて嬉しいわ
アオちゃんのご両親に感謝や
産んでくれた事もやけど、ご両親が二人とも出張やったからこうして1番におめでとうが言えるわ、傍におれるわで

あかん、ワイが幸せ噛み締めてどうすんねん

アオちゃんが幸せになる日やんか

おめでとうと好きを沢山いって
ギューしとったらアオちゃんの眠そうやったで
理性を総動員させて何食わぬ顔でトントンしとったらアオちゃん寝はったわ

寝顔も可愛ええ、いつまでも眺めとれる
せやけど準備があるさかいに、ちょっと堪忍な

ベッドから抜けてこっそり準備を始めた

今どきで言う「映え」な飾り付け
風船沢山用意して、膨らまして。壁にHappyBirthdayって貼ってな

ネットで拾った画像を参考にして

なんかワイの部屋じゃないみたいな可愛ええ空間やな…

朝起きたアオちゃんの驚いた顔を見て大成功!ってガッツポーズしたんは内緒な

「鳴子くん!何これ可愛い、凄い!!」
「誕生日会するで!アオちゃん」
「嬉しいー!!」

朝からたこ焼き焼こうとしたらオカンにどつかれた
その代わりオカンがサンドイッチ作ってくれたから、それ食べて
なんやろ、フルーツサンドとか作ってもろた事ないねんな。こんな果物ウチにあった事あらへん
大体サンドイッチは卵かハムかキュウリとかやん
オカンもオカンで浮かれすぎやろ

せやけど「ママさんの美味しい」って食べるアオちゃん見とったらやっぱり幸せな気持ちになるんや

HappyBirthdayの前でアオちゃんの写真を撮って
かわええ…ホンマに可愛ええ…
ついでにちゃっかりツーショも撮って

近所の公園散歩して、何の花か知らんけど秋の花堪能して

手ぇ繋いで歩くんもええな
秋の風を感じながら思う

なんも咲いてへん木の下で話してたら、ひらりと落ち葉がアオちゃんの頭に乗ったんな
その瞬間がなんか妖精みたいで可愛くて、落ち葉取ったと同時に我慢ならんくてそのままキスしてしまった

目を開けたらアオちゃんは怒るでもなく、少し照れたような笑いをするからワイ撃沈

あかんて、あかんよアオちゃん可愛すぎるねん

ワイの彼女はこんなに可愛ええんやでーと言って回りたい位可愛ええあかんやばい

「ごめんな、外やのに」
「かまへんよ〜であってる?」

撃沈…あかんて…

なぁ、ワイが幸せな気持ちになってばっかなんちゃう

昼はタコパして、ゲームして、DVD見て

なーんかロマンチックとかないやんかと思いつつも大丈夫やろか?

夜はオカンが何かご馳走作ってくれるって言っとったし

その前にプレゼント渡してしまおうか


「鳴子くん」
「ん?」
「楽しいし、幸せ」
「ホンマに?」
「うん、こんな楽しい誕生日初めて」
「そんなら嬉しいわ。なぁ、アオちゃん」
「なに??」
「はい、誕生日プレゼント」
「え!?ありがとう!開けていい?」
「ええよ!」

包を開けるアオちゃんを見て緊張してきた
気に入ってくれるとええな

「ピアスだ!可愛い…」
「ホンマに!?」
「うん、綺麗だし可愛い。赤いお花が鳴子くんみたいだね」
「つい赤を選んでしもてな。ハーバリウム?ちゅー奴のピアスなんやって」
「だよね?こんなのよく見つけたね」
「おん。何か雑貨屋で教室開いてたねんな。これや!って」
「教室?え、まさか手作り!?」

アオちゃんの驚く顔も可愛ええんな

あの日、店の前のボードにハーバリウムのアクセサリー教室ちゅーのが目に入ってん
で、見本も置いてあったんな
それ見たらこれや!って思ったんや

「薔薇の花束も、ブランドのアクセサリーもまだワイはあげれへん。そんなんやないけど、堪忍な」
「薔薇の花束より、ブランドのアクセサリーよりも100倍嬉しいよ!!綺麗…世界に1つだけ、でしょ?」

本当に嬉しい、幸せすぎて死にそう

そう笑うアオちゃんを見たら堪らなくなって、腕引いてそのまま抱きしめた

何度もありがとうとアオちゃんは言うけど、そんなんワイがありがとうやで

「私、世界一の幸せ者だ」

その言葉が聞けたワイが、世界一の幸せ者やで




夕飯はオカンが張り切って作ったご馳走の数々

なぁ、ワイこんなご馳走見たことないねんけど
ワイの誕生日ケーキ今回ホール頼み忘れて挙句に売り切れてて、バラのやったよな?
なんなんめちゃ可愛いピンクいクリームのケーキとか初めて見たちゅーねん

美味しい!って可愛い顔して食べるアオちゃんを見て鳴子家全員頬緩めてだらしない顔しとったわ

「本当に幸せ!ありがとうございます!」

もう1000回くらい言うけどな、アオちゃんが幸せなら、ワイも幸せやで


ずっと幸せやって笑っとってな
ワイがずっとそうやって思って貰えるようにするで


「これからもよろしゅう」
「うん!ずっとよろしくね!」




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