シュガーメルトキス

休憩時間に女友達と話す事と言えばたわいもない事ばかりだけど、最近私の友達は皆彼氏持ちなので恋バナが自然と多くなる

皆どんな付き合いをしてて、どんな感じなのか興味津々でそんな話ばかりに花を咲かせている

雪成くんの事を言われる時、取っ付きにくそうだとかSっぽそうだとか色々言われることが多いけど、優しいしんだけどな
んーでもたまにSっぽい笑みを浮かべてるかな?
あれはあれですごくかっこいい…

本当に優しくてかっこよくてキラキラしてて

こんなに素敵な人に好かれる事なんてもう2度とないんだろうなって思う位に

どこまで進んでるの?なんて聞かれても実はまだ進展は全然していない
付き合って三ヶ月が過ぎたと言うのに手を繋ぐのに慣れた所で

そろそろキスとかするのかな?
なんて思ってるんだけど中々そんな感じにならなくて
手を繋ぐだけでドキドキするのに、ハグしたりキスしたりそんな事を雪成くんとするなんて…
考えたらそれだけで頭が真っ白になりそう


「アオさん?」
「え?あ、何だった?」
「考え事ですか?」
「そういう訳じゃないんだけど」

急に覗き込まれてドキドキする
せっかく雪成くんと2人で会える貴重なお昼休みなのにボーっとしていたら勿体ない

みんなの彼氏とのいちゃいちゃ話、正直少し羨ましいな…なんて思っていたりもする
もう皆ハグしたりキスしたり、なかにはそれ以上の事をしてる子も!
だけどガツガツ向かっていくのも違う気がするし
魅力が足りないのかなぁ…

何となく寂しくてギューッとしたいけど自分から出来なくて、でもちょっとでもくっつきたくて雪成くんの肩に気持ち控えめに頭を乗せてみた

「アオさん、どうしたんですか?」
「何となく、くっつきたいなと思いまして…」

恥ずかしくて声が小さくなる
何か反応してよ…恥ずかしいじゃん

「オレも…」
「ん?」
「オレもアオさんの事抱きしめていいですか?」

雪成くんの言葉にドキドキする
抱きしめる!?え、抱きしめられるの??
嬉しい、どうしよう

「わ、私でよければ」
「なんすか、それ」

アオさんがいいんです、なんて言いながらクスクス笑う雪成くんの腕の中に閉じ込められたのは一瞬で

いつもふわっと漂ってくる雪成くんの匂いが近くて、そしていっぱいになる

私もそっと雪成くんの背中に手を回す

そしたら雪成くんの抱きしめる力が少し強くなってドキドキしっぱなしだ

「アオさん、いい匂いがする」
「そ、そんな事ないよ!どうしよう汗とか」
「それはオレも同じですから」
「雪成くんはいい匂いだよ!」


思わず顔を上げたら想像以上に雪成くんの顔が近くにあって

「それはどうも」

そう言って背中にあった雪成くんの片手が私の頭に来てそのまま優しく髪を撫でる

何か話すと息がかかりそうな距離に緊張しすぎて心臓がどうにかなりそうだ

「顔真っ赤。アオさん可愛いです」

そんなことを言われてますます頭が真っ白になる
恥ずかしくて少し下を向いて軽く呼吸を整えてまた上を向く

そしたらまた更に近くに雪成くんの顔があって、今度こそ唇が触れてしまいそうだ

「わ!ち、近い!」

「そうですね」

息がダイレクトにかかって唇の熱も、触れていないのにお互い伝わってるんじゃないかって位アツイ

「もうキスしてもいいですか?」


控えめに首を縦に振ればもう唇同士の距離はゼロだった

優しく触れるだけのキス

たった数秒の出来事なのがウソみたいに長く感じる

幸せすぎて胸がいっぱいでもう何が何だかわからない

「雪成くん…好き」
「オレも好きです。もう1回いいですか?」
「うん!何度でもどうぞ!」

私の言葉に雪成くんは目を丸くしたと思えば盛大に吹き出した
あれ?何か間違えた!?

「ハハッ何度でもって何だよそれ、じゃあお構いなく」

いただきます

なんて私の頬に手を添えてから降ってくるキスの嵐

軽く押し当てるようなキス
優しく啄むようなキス
角度を変えて何度も何度も

唇が離れて雪成くんを見たら雪成くんもこっちを見てて、見つめ合う

笑ってない表情もやっぱりかっこよくて
なのに猫みたいな目は可愛い
そしたらまた優しい顔で微笑むから
その表情の変化がスローモーションに見えて
思わず見とれてしまった

そしてまた雪成くんの顔が近づいてくるから私はそっと目を閉じた



キスってお砂糖よりも甘くて蕩けちゃいそうな気持ちになるんだね

って、今度友達と恋バナをしたら思わずこう言っちゃうんだろうな

なんて思いながら私はまだ降り止まないキスの嵐に酔いしれたのだった




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企画サイト黒猫様に提出させて頂きました。
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