メンドクセェと思いながらアオの教室に向かう

ンでオレが行かなきゃなんねーんだよ

まぁ、この間「今度のお昼は先輩が迎えにきて欲しいなぁ」とかナントカわけわかんねェお願いをされて

イヤだつってんのに全然聞かねーから、今度の数学と英語と漢字の小テスト全部満点取ったらなと言ったら全部満点取りやがったんだよ、アイツ

必死で勉強してたしな
だから約束は約束だしィ
今日はそのお願いとやらを聞いてやんよ

…甘ぇよなホント


ガラッとドアを開けたら教室が一気に静まり返る
ンだよどいつもコイツもこっち見てんじゃねぇよ

居心地悪すぎんだろ 。まぁケド……

「荒北先輩!」

コイツだけは嬉しそうに走って来るかんな
……可愛いじゃナァイ
……なんて絶対言わねェけど

「おー、行くぞ」
「はい!」

そう言って駆け寄ってきたアオが腕を絡めて来た
小っ恥ずかしいからヤメロって言っても、最近全然言う事聞かねーしオレはもうこれ位では何も言わなくなった

嬉しそうな顔してんじゃねーよ、バァカ



飯食ってる時もずっと楽しそうに喋ってるし、その後も隣でずっとくっついて離れない

オレは優しくなんか出来ねぇし気の利いた相槌もうてねェ
なのに何でコイツはこんなに笑ってんだろ

ワカンネ

だけど、そんなのも心地いいつーか
こんなでも落ち着く場所になりつつあんだよな
すっかり絆されちまってんなオレ

「先輩、大好きですよ」
「あんがとねェ」

毎日毎日好きだ好きだって恥ずかしくねーのか
ったく…
別に心配しなくてもオレはドコも行かねーし、ちゃんと好きだって言ったのに「なかなか伝わらないなぁ」ってオマエはよく言うけどそらコッチのセリフだ

オレがどんな気持ちでいるか知らねーんだアオは


ことある事に抱いてくれだなんだオマエは気軽に言うけど、本当に勘弁して欲しい
ンなこと気安く言うなってんのに全然聞きやしねぇ

まだアオは可愛すぎンだよ
そんな簡単に抱いちまうなんてムリ

性欲がない?勃たない?ハッ!
バッカじゃねーのホント
オレだってそれなりに色々ちゃんとあるっつーの、一番興味ある年頃ってヤツだしィ?

箍を外す事なんざ何時だって出来る
ただ今は違うんだよ

そもそも寮生活のオレらはどこでヤンの?
休みだって殆どないようなこの状況で
今はどこにも連れて行ってやれねェし

寮?んなリスクが高ぇ場所落ち着かねーよ

ハジメテっつーのは大事なモンだろ
ましてやオンナノコにとっては
だからァ…そんな勢いでスルもんじゃねェし
そのハジメテは大事にしてやりたいんだよ

ちゃんと考えてんだコッチはそれなりに

だからその時を待てって言ってるダケなんだよ

その気になったら…
何なら今からでも抱ける位の気持ちがある事、オマエはわかんねぇんだろうな

ホント男ゴコロのわかんねぇ奴
まぁオレも女ゴコロなんざわかんねぇからそんなもんか


「先輩、どうしたらもっと私の事女の子として見てくれますか?どこを直したらもっと好きになってもらえますか?」

ほらな、全然わかっちゃいねぇ
ちゃんとオンナノコとして見てるし、直すトコなんてねェよ
強いて言うならもっと自信を持てよ
どんと構えてりゃいいんだよ

「ハァ…」

オレがため息をつけばアオの肩が揺れる
普段はグイグイ来るくせにそゆとこだけ敏感だよなアオは

「バァカ」

ちゃんとオンナノコとして見てるしって言ってキスをすればアオは涙目になってた

「じゃあ抱い…」

その続きは言わせねーよもう
オレはその言葉を遮るようにアオの唇を塞ぐ

ちゃんとわからせてやらねぇとコッチの身も持たねェし

アオが身動きを取れないようにガッツリ後頭部に手を回して固定して
もう片方の手は背中に回す

……ちっと驚かせちまうかもな
だけどここでビビってるようじゃまだまだだろ?アオチャン

そのまま強めに唇を押し当てちまえば驚いたのか唇が薄く開いた
そこに舌を差し込んで、アオの舌と絡めるとアオのカラダが固まったのがわかった

…動揺してんじゃねーよ
オマエが言ってる「抱く」事はこんなモンじゃねェんだ

こんくらいでビビってんじゃねーよバァカ

でも止めてやんねぇぞ

そのまま続けたら必死になってついてくるアオが可愛いじゃナァイ

あー、ダメだろこれは
カラダ中の血液が湧き上がるこの感じ

程々にしとかねぇと収集つかねぇわ
……いろんな意味で

唇を離せばアオは何とも言えない顔でこっち見てて
頬赤くして目ぇ潤ませて

「ちゃんと色気とやらもあんじゃねーか、アオチャン。先の事はさ、オレもちゃんと考えてっカラァ…だから今はこれで我慢、な?」

お互いに

「はい!私幸せ過ぎて死にそう…」

頬に両手を添えてそう呟くアオは…
やっぱカワイイわ

「バァカ」

そう言って軽く頭を撫でるとアオは飛びついてくるから、オレはそれを受け止めてアオの気が済むまでずっとそのままでいた



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