8.やすらぎ2
「…ジョージがへいきなら、私はだいじょうぶ」
「そっか…。じゃあ抱き上げるけど、暴れないでね?」
「…もうかくごは、できてるさ」
ここから一番近い部屋と言えば僕とフレッドの部屋で…彼女に僕らのベッドを使わせるのは、申し訳ないし正直後からママに何を言われても仕方ない気もしたけど、今回ばかりは彼女の身体のためにも僕のベッドを貸してあげることにした。そして、本日三度目のお姫さま抱っこ…彼女の身体から熱が伝わってきた。
「下ろすよ?」
「…うん、ありがとう…ジョージ」
「ねぇ、レイリ」
「…ん?」
「強引に連れてきたりなんかして、本当にごめん。
まさか君が、こんなにも重病だったなんて僕達知らなくて…」
ベッドの側のスツールに腰をかけて、ズボンの太もも辺りを両手でぎゅっと握った。もしかしたら、僕達がここに連れて来なければ、今レイリはこんなにも苦しまないでいられたかもしれない。
そう考えると、ただ自分の感情に従って彼女を連れ出すと言う安易な行動に出てしまったことを酷く後悔をした。彼女からの返事はなくて、しばし沈黙が流れる。
寝てしまったのだろうか?…そう思っていたら、硬く握っていた拳に彼女の柔らかな手が置かれた。ハッとして視線を上げると、レイリの黒い瞳がじっと僕を見詰めている。
「…風邪のときってさ、ひとはだが恋しくなるよね」
「え?」
「…だから、私がいいたいのは…ジョージたちに、ここへ連れてきてもらえて…よかったって、こと」
レイリは言い切るや否や、目を閉じて今度こそ眠ってしまった。僕は彼女の手を布団の中へ入れてあげながら、ちょっとだけ軽くなった心で彼女の寝顔を目に焼き付けていた。
20130811
title by MH+
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「…ジョージがへいきなら、私はだいじょうぶ」
「そっか…。じゃあ抱き上げるけど、暴れないでね?」
「…もうかくごは、できてるさ」
ここから一番近い部屋と言えば僕とフレッドの部屋で…彼女に僕らのベッドを使わせるのは、申し訳ないし正直後からママに何を言われても仕方ない気もしたけど、今回ばかりは彼女の身体のためにも僕のベッドを貸してあげることにした。そして、本日三度目のお姫さま抱っこ…彼女の身体から熱が伝わってきた。
「下ろすよ?」
「…うん、ありがとう…ジョージ」
「ねぇ、レイリ」
「…ん?」
「強引に連れてきたりなんかして、本当にごめん。
まさか君が、こんなにも重病だったなんて僕達知らなくて…」
ベッドの側のスツールに腰をかけて、ズボンの太もも辺りを両手でぎゅっと握った。もしかしたら、僕達がここに連れて来なければ、今レイリはこんなにも苦しまないでいられたかもしれない。
そう考えると、ただ自分の感情に従って彼女を連れ出すと言う安易な行動に出てしまったことを酷く後悔をした。彼女からの返事はなくて、しばし沈黙が流れる。
寝てしまったのだろうか?…そう思っていたら、硬く握っていた拳に彼女の柔らかな手が置かれた。ハッとして視線を上げると、レイリの黒い瞳がじっと僕を見詰めている。
「…風邪のときってさ、ひとはだが恋しくなるよね」
「え?」
「…だから、私がいいたいのは…ジョージたちに、ここへ連れてきてもらえて…よかったって、こと」
レイリは言い切るや否や、目を閉じて今度こそ眠ってしまった。僕は彼女の手を布団の中へ入れてあげながら、ちょっとだけ軽くなった心で彼女の寝顔を目に焼き付けていた。
20130811
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