万物流転 | ナノ
2.れいめい2
学校から送られてきたOWL試験の結果には、私は満面の笑みを浮かべた。この試験は、飛行訓練を省く最大12科目が受験でき、私は選択していない占い学と数占い学を除く10科目で受験した。

そして私は、主要七科目のうち天文学を良に落としたが、残りの六科目(魔法薬学・DADA・魔法史・呪文学・変身術・薬草学)で優を得て、選択科目のマグル学並びに、ケトルバーン教授からはお墨付きを頂いた魔法生物飼育学では優を取ることが出来た。

ちなみに、教科に限って言えば、魔法薬学とDADA、魔法史、魔法生物飼育学で修めた私の成績は今学年トップだったそうです。嬉しいったらありゃしない。また、私が直前になって山を張って知識を詰め込ませたお陰で、双子は揃って魔法史と薬草学にて良の成績をゲットした。その他はギリギリ合格らしいけどね。


***


朝の日課を済ませ、着替え終わったところに茶色いくちばしの梟が手紙を配達しに来てくれた。手紙を受け取ると、私がお礼のクラッカーを与える前に急がしそうに羽搏いて行ってしまった。

送り主は、同級生のセドリックで、私は『甘味処へのお誘いかなぁ?』と封を切るとそこには予想とは違い「クィディッチ・ワールドカップの決勝戦を一緒に観に行かないか?」とのこと。

さらに読み進めると「家族三人で試合観戦をするつもりだったけど、母が体調を崩してしまって…とてもあの騒がしい場所へは連れて行けないから、チケットが余っているんだ。折角だから、誰かを誘えばいいじゃないかって父から言われて、君を誘ったんだけど…どうかな? もしかして、ウィーズリーに先を越されてしまったかな?」と書いてあった。

私はすぐにセドリック宛てと、双子宛てに手紙を送った。セドリックには書き出しを「お言葉に甘えてもいいですか?」にして、双子には「とある人からのお誘いで、クィディッチ・ワールドカップの決勝戦へ観戦しに行くことになりました。会場で会いましょう」と綴った。

今年は原作で言う『炎のゴブレット』のストーリーだから、私の朧げな記憶によればウィーズリー一家とハリー、ハーマイオニーはこの試合を観に来るはずだ。実を言えば、私はこの巻から映画のみの知識になり、小説はアズカバンまでしか読んでおらず、最終巻の死の秘宝は映画すら見ていない。

しかし、最終巻の結末だけは当時の親友からネタバレされて知っているのだから歯痒い。誰がどういう風に死んで、誰がどういう風に生き残るのかを広く浅く延々と語ってくれた親友に、当時は腹を立てたが、今は感謝したいと思う。

これまでは、何となくのストーリーの全貌が見えていて、どのような流れで事件が起こり、物事が発生し解決して行くのかを心得ていた。だからそれに添うような形で行動してきたのだが、今年からはそれが通用しないのだ。

それに、何と言っても私は忘れていることが多々ある。特に今年は、ホグワーツにボーバなんちゃらとダームなんちゃらと言う他の魔法学校から人が来て、各学校代表者はひとりのところ、ハリーも巻き添えになって、何か試合みたいなのをホグワーツですることしか覚えていないのだ。

詳しいことは、もはや忘却の彼方であり、代表選手の女子生徒が可愛かったことしか覚えてない。それに、映画館で見た時も、課題テストの翌日で一夜漬けの身体にあの暗闇は眠気を誘い、途中で寝てしまったから、ラストがどうだとかの記憶が一切ない。どう考えても、いろいろな意味でピンチを迎える私であるが、流れに身をまかせながら、精一杯生きて行く所存であります。

20130824
title by MH+
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