▼ 01
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ここはアパートのとある一室。
朝日が差し込む部屋に一人の青年が気持ち良さそうな寝息を立てながら眠っていた。
特徴的な白銀の髪型で長めの右側の髪束に黒のメッシュが入っている。
彼は中島敦。白虎に変化する【異能者】であり、武装探偵の一人である。
彼ははそろそろ目が覚めるのか、二回ほど寝返りを打ち、うっすらと目を開けた。
「ん、、、朝、、、、、、、、なにあれ?」
寝起きの頭を軽く掻きながら、枕元に顔を近づける。そこには、、、、
何やら赤い物体。
頭に疑問符を浮かべながら暫く眺めていると、、
ームクッー
「うわっ!?動いた!?」
思わずギョッとし身構えるも、それがコロンと転がり全貌が露になると目を見開き、そして顔をほんのり染めた。
それは赤いずきんを被った、可愛らしい手のりサイズの小さな小さな女の子だった。
「しかし、いつの間に、、、?」
まじまじと目の前の生き物を観察していたが、はっと我に返る。
「うわっ!!急がなくちゃ遅刻だ!!」
秒速で準備を整え出ようとしたが、ふとその生き物に目をやった。
(どうしよう。置いていったら可哀想かな、、、)
少し悩んだが、よし!と頷く。
(連れていって、太宰さん達に相談してみよう)
中島は未だにスヤスヤ眠っているそれを手に抱え、アパートを後にした。
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