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「、、、はぁ、、、」

川辺でうつ伏せになり、ぐったりと横たわる白髪の青年。身に付けている服は薄汚れており、長い間放浪していたことが見て取れる。

「はらへったなぁ、、、」

彼の名は中島敦。
元々ある孤児院にいたが、つい最近院を出た、、、いや、追い出された、の方が的確だろう。
理由は分からない。ただ、追い出されたのだ。

「餓死、、、するのかな」

余りの空腹に思考が鈍くなる。

ーこの穀潰しが!!ー
ー貴様など生きる価値などない、野田れ死ぬがいい!!ー

追い出された時に言われた言葉を思いだし、唇を噛み締めて立ち上がる。

「じょう、、、だんじゃ、ないっ!!僕は、、、僕は生きるんだ!生き抜いてやるッ!!」

しかし、先立つものがないのも事実だった。

「こうなったら、、、通りかかった人の財布を奪うっ」

そう呟いた時背後で草が揺れ、ハッと振り返る。

「だ、誰か、、、いるのか?」

ならば先程の決意を実行しなくては。
敦はゆっくりと草むらに近付いた。


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