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「やれやれ、、、」

倒れている愛奈に仮面の青年が呟く。

焔が気を失い倒れ込んだ後、愛奈に手刀を入れ昏倒させたのだ。

「、、、自分がやった事、忘れちゃったのかねぇ、、、転嫁も甚だしい、、、」

呆れたように溜め息を吐くと、焔に視線を移し彼女の側に膝まづき、艶やかな髪を撫でる。

「優しすぎる故、、、か。可哀想に、、、ん?」

青年が自分の胸に手を当て目を閉じた。そして暫くして小さく頷いた。

「そうか、、、この子が気に入ったのか、、、じゃあ俺の役目はここまでってことだな、、、」


ーJokerよ、、、、ー



青年は顔の仮面をとり、焔の手に持たせた。

「すまなねぇな、、、Jokerの言うことは絶対なんだわ、、、せめてもの償いに少しでも幸せを感じられる場所に飛ばしてやるから、、、、」

青年は仮面に手を翳し何かを念じた。すると、焔の姿が次第に薄くなり、そして消えた。


「気に入ったってなら、酷い扱いはしねぇと思うが、、、」


ふと闇が迫る空を見上げる。
不安がない、、、というわけではない。今までの自分を思い起こしてみてもあまり良い思い出はない。それゆえ心配なのだ。しかし、Jokerに見初められたとあっては、、、ただの器の自分にはどうにもできない。


ーまあ、仲良くやんな、、でも程々にしてやれよ、、、ー


青年はコートを翻し、夜の闇へ消えていった。



焔とJokerの時空を越えた旅は始まったばかり。





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