( 9/21 )
いつものように登校した焔。
しかし、何かが違っていた。
(御波さん達の姿が、、、見えない、、、)
いつも事あるごとに、何かしらいちゃもんを付けてくる愛奈の取り巻き達がいない。
焔はふと、昨日の事を思い出す。
(心当たりと言えば、、、Joker、、、?でも、、、ターゲットは私の筈なのに、、)
Jokerは依頼したその日の夜にターゲットを処刑しにくる。しかし昨晩、焔の元にJokerは来なかった。
、、、、焔はそれが気になった。
ーーーーーーー
ーーーーー
チャイムが鳴り、朝のホームルームが始まるため皆が席に着く。しかし、担任が中々来ない。生徒がざわめき始めたその時、教室の扉が開き、神妙な顔をした担任が入ってきた。その様子から何か良くない事が起こったであろう事が予測できた。
焔に嫌な予感が過る。
そんな彼女を他所に、担任が静かに話始めた。
「、、、今日は悲しいお知らせがあります。御波忍さん、橋下洋子さん、米田尚子さんが、、、、昨夜、何者かに殺害されました」
それは、愛奈の取り巻き達の死を知らせる内容だった。
ーーーーーー
ーーーー
「焔、、、ちょっといい?」
『ま、愛奈、、、ちゃん、、、』
放課後、焔を元凶である愛奈が声を掛けた。そして愛奈に促され、校舎裏の空き地に着いていく。
目的地に着いた途端、愛奈が怒りの表情を浮かべ、焔の方を睨み付けた。
「あんた、、、何をしたの、、」
『え、、、?』
全く訳が分からない焔は、思わず後ずさる。そんな彼女の態度が気に食わなかったのか、焔に掴みかかった。
『くっぅ、、!?』
「すっとぼけんじゃないわよ!!あんたが殺したんでしょ!?Jokerに頼んだんでしょ!?最低ね!!」
どうやら焔が御波達の殺害をJokerに依頼したと思っているようだ。
確かに、、、理不尽な扱いに我慢できない事が多々あったが、殺害しようという気は起きなかった。
そんなことをすれば、祖父母や周りの人達に多大な迷惑を掛けてしまうし、何より罪悪感や罪を抱えたまま生きていく程、自分は強い人間ではないと分かっていたから。
『ちが、、、、私、そんな事、、、、してな、、』
首元を締められ息が詰まる。しかし無実を釈明したくて、必死に言葉を紡ぐ焔に苛立った愛奈は更に力を込めた。
意識が遠退く中、ぼんやりとした視界に映る光景は、般若のような顔をした愛奈と、その後ろに立つ顔半分が仮面に覆われた人物、、、【Joker】の姿だった。
PREV |NEXT