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やっと片付けが終わり、学校を出たのは辺りが薄暗くなってきた頃だった。
焔はスマホを取り出し、家に電話を掛ける。
『あ、おばあちゃん。うん、、、ちょっと係りの仕事が長引いちゃったの。うん、今から帰るね』
まさか、私物がぶちまけられていて片付けていたなんて言えず、咄嗟に嘘を付く。
只でさえ世話を掛けているのに、心配事を背負わせたくなかった。
プツン
通話を切り鞄を持ち直すと、足早に家に向かった。
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いつも通りすぎている公園に差し掛かった所で、焔は思わず足を止めた。
公園の入り口に同じ制服の数人の女子が屯しており、焔を見るとニヤニヤ笑いながら近づいてきた。
「纒さん、今から帰り?」
『え、、、うん、、、』
焔が浅く頷くと女子達が彼女を取り囲む。突然の事に狼狽える焔の腕を二人の女子が掴み上げる。
『っ!!いた、、、、や、やめて!』
「ふんっ!いいザマだわね。纒さん。貴女、また愛奈を虐めたんですって?」
『え、、、?わ、私、そんな事っ!!』
「言い訳なんて見苦しいわよ?愛奈ね、、、凄く傷ついて、、、、自殺しようてまでしたのよ!?」
『っ!?、、、ま、愛奈ちゃんが、、、?』
また、自分の知らない所で知らない事が起こっている、、、。
凄く傷ついたのはこっちなのに。
死にたい程苦しいと思ってるのはこっちなのに。
涙が零れ落ちる。
悔しくて、悲しくて、、、。
項垂れ、抵抗しなくなった焔の腕を引っ張り、女子達は公園の奥へと引き摺るように連れていった。
、、、これから自分達に降りかかるであろう悪夢に気付かずに、、、。
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