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「ちょ、やばくないコレ?」

「あらあら、いきなり物騒な歓迎ですわね〜。でも、私達ならきっと大丈夫ですわっ!」

「いやいや、その根拠の無い自信なんなの!? ……ってヤバっ、向こうヤル気満々なんだけどぉっ!」

2人の会話など気にも留めず、一際大きな咆哮を上げてから鋭い牙で噛みつこうと飛び掛かってくる魔物。
マナと呼ばれた茶髪の少女は横に跳んでそれを回避すれば、まるでその位置に魔物が迫り来るのを予見していたかのように正確にリネットの放った苦無が魔物の眉間に突き刺さる。
魔物は苦痛な呻き声を上げていたが、次第に力尽きてその場に崩れ落ちた。

「狙い通りに行きましたわ〜! やりましたわね!」

「……! リネット、後ろッ!」

「……え?」

叫びにも似たマナの声が辺りに緊迫した空気を創り出す。
何事かと背後へ振り返ったリネットと呼ばれた少女の視界に映り込むのは、今まさに自分に襲い掛かろうとする魔物の姿。
どうやら一匹、茂みに隠れて様子を窺っていた魔物がいたようだ。

回避は不可能と判断したのか、身構えつつ衝撃に備えてぎゅっと目を瞑るリネット。
しかし、その代わりに訪れたのは何故か魔物の悲鳴。
恐る恐る目を開けてみれば、そこには魔術と思われる光の矢が突き刺さり悶絶する魔物の姿が映り込んだ。

「……ふぅ、ギリギリ間に合ったようですね。お2人とも、お怪我はありませんか?」

些かホッと安堵したような、穏やかな女性の声が辺りに響き渡る。
マナとリネットが驚いて声のする方へと視線をずらせば、そこにはエレナ、レジーナの姿があった。
どうやら、先程の光の矢を放ったのはレジーナのようだ。