04
3,2,1…。
約束の時間まであと一分。
と言ってももう実は敷地に入ってたりするんだけど。
フレデリカと別れて、ちょっとやることを終わらせてから中に入ってみると思った通りと言うか、警備ロボットと監視カメラの嵐。
警備ロボットなんてアニメや映画でしかお目にかかってないので少し胸が弾んだが、約束の時間になるまで見つかるわけにはいかない。
燿の機動力ならば警備ロボットやカメラなど物ともしない。
燿は物陰に身を隠しながら時間を待ち、冒頭に戻る。
コンピューターが4分経過を告げると同時に、近くにいた警備ロボットへ石を投げつけた。
ガツン、と音がして警備ロボットが揺れ警戒モードに移行する。
すると、色々なところから警戒モードに移行すたらしい音がする。
どうやらロボットたちは連動しているようだ。
石を投げつけた個体は、するするとこちらへやって来た。
燿は植木の影で構えて待ち構える。
ロボットの端が見えたときがチャンス。
息を潜め、右手に電気をためる。
ロボットのエンジンの駆動音が微かに聞こえ、少しずつ大きくなっていく。
もう少し、もう少し。
駆動音が大きくなる。
あと少し、ほんの少し。
そして生け垣の影から無骨な機械が顔をだしたとき、燿の右手から放たれたスパークが通電した。
ロボットは活動を停止した。
急いでロボットを影に引き込み、機能を色々調べる。
時間を見ると、残り15秒を切っている。
自分の役目は陽動。
目立つ動きをして敵の気を引かなくてはならない。
そして、陰から目をそらさせ真の目的をできる限り覚らせないように。
一番目立つ動き、なおかつ大人数が集まる動き。
燿「…ひとつしかないじゃんね」
燿は一人ニヤリと笑う。
カウントダウンは進んでいく。
10,9。
もう動かないロボットを脇に置く。
8,7。
ズボンについた塵を払う。
6,5。
立ち上がる。
4。
塀に飛び乗る。
3。
右手を構える。
2。
ロボットたちがこちらを見る。
1。
燿「さて…。始まり始まり」
次の瞬間…パチンという軽い音共に全監視ロボット及び監視カメラが停止した。