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「あれが…珀憂さんですか?」

「あぁ。どうやら今は一人みたいだな…」

街に出てきた琥珀、ロザリア、香野の三人は、時を同じくして夜の街へやって来た珀憂の後を追跡していた。

彼は噴水のある広場へとやって来ると、キョロキョロと辺りを見回しては寒そうに縮こまって噴水の縁に腰かける。

三人は見つからないように、と手近な草むらから少しだけ顔を覗かせその様子を見守っていた。

「どうしてこんなところに…」

「やっぱり女なんやない?彼女の一人二人おってもおかしくあらへんって」

「確かにそうだな…しかしそうだったとしても別に俺達に黙ってる必要は無いんじゃ…」

「!静かに、誰か来ます!」

突然静かに叫んだ琥珀の声に、香野は思わず口をつぐんで視線を戻す。

彼女の言う通り、今しがた自分達が来た道の方から、珀憂の元へと向かっていく女がやって来たのだ。

いや、よく見るとその人は女というよりも少女に近い外見をしており、長い金色の髪を後ろで一つで結っている。

二人は少し会話をした後に街の方へと歩き出したので、三人もゆっくりと頷き合うとその後を追う。

「ほれ見ろ、やっぱり女やったやろ!うちの勘が当たったな!」

誇らしげにそう言うロザリアに、琥珀はクスリと笑うと、そのまま香野に問いかける。

「彼女さん…でしょうか?でも、それにしてはあの子、どこかで見たような…あっ」

首を傾げながらにそう考えていると、ふと前方の珀憂達が一つの建物に入っていくところだった。