中編 | ナノ






「お前が田中平次郎だな」


僕の今、目の前に立ってる人はこの学園で最も完璧で最も人気があって最も僕みたいな人間が近づいちゃいけない人。


前に友達の宮野くんから聞いた事がある。
宮野くんは何か今結構有名な…?“ふだんし”って人らしくて、宮野くん曰くこの学園は“王道学園”らしい。

王道学園に付き物なのは山奥にある金の無駄遣いだろ!と言いたくなるほどの馬鹿デカい学校(全寮制)と俺様会長、腹黒副会長、寡黙書記、チャラ男会計(もしくは小悪魔か双子)…そして『王道転入生』らしい。


つい最近、宮野くんが言うようなはちゃめちゃな転入生が入ってきて、一匹狼くんと爽やかくんと生徒会の人を次々と虜にして行った。


宮野くんはホント凄い。宮野くんはどんどん先の事を言い当てて行く。宮野くんってもしかして予言者なのかな。


そして、僕田中平次郎はそんな王道くんの(西尾太陽って名前なんだけど)同室者だったりする。
宮野くん曰く『巻き込まれ平凡』らしい。


「巻き込まれ平凡って王道くんの代わりに親衛隊から制裁されるって役だからヒラちゃんも気を付けた方がいいよ!(まぁ、制裁されて心も体もボロボロなヒラちゃんを何処かの攻めが癒してあげてそこから広がるラブロマンスもいいけど、ヒラちゃんには傷付いて欲しくないからなぁ…)あ、これ一応持ってなね!」


そう言って宮野くんからたくさん防犯グッズ(防犯ベルとか、唐辛子入りのスプレーとか…)をもらったけど、今使うべきなんだろうか。


あ、因みに“ヒラちゃん”は宮野くんが付けてくれたあだ名です。





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