中編 | ナノ
「………これですよ」
副会長さんがいくつか紅茶を持ってきてくれた。
「うわぁ…凄く良い香りですね。この中だったら会長さんが好みの紅茶を見つけられそうな気がします」
「…会、長……?」
僕が会長さんの事を話した途端、何だか副会長さんの機嫌が急下降してしまった。
「副会長さん…?」
「会長とそんな仲良かったっけ?」
「え…いえ、最近猫の餌を一緒にやるようになりまして…それで…」
何かまずい事でも言ったのだろうか。
「平凡のくせに。身分を弁えたらどうです?」
「え…でも…」
「会長もきっと迷惑なさってますよ」
「………………」
「わかったなら次、部屋に呼ぶのは僕にしてくださいね。会長じゃなくて」
「……………え?」
(抜け駆けなんて許しませんよ。ずっと見てたのは僕の方なんですから)
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知らないうちに生徒会を落としている田中くん。
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