中編 | ナノ








「…こいつの、名前は?」


すーちゃんはすっかり書記さんに懐いてしまったようで、すりすり擦り寄っていく。あぁ…すーちゃん…僕は…


「すーちゃんって言うんですよ」


「そうか…すーちゃん…すーちゃん…すー…」

何か、書記さんは『すーちゃん』って呼ぶが恥ずかしいらしく、途中で『すー』と呼んでいた。


「すーちゃん、凄く書記さんの事気に入ったらしいですね」


「…………。こいつ、いつもここにいるのか?」


「あ、はい。大体は。たまにお散歩に行っちゃってる時もありますけど…。もしよろしかったらまたすーちゃんに会いに来てやって下さい。喜ぶと思うので…」


そういうと書記さんは僕の顔見たまま何も話さなくなった。

え、何かまずい事言ったかな?でしゃばり過ぎたかな?内心でワタワタしていると突然強く腕を引っ張られ抱き締められた。








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