中編 | ナノ


部長会議が始まる前、いつもならちょっと気が重い。なぜなら、隣の席が幸村くんだから。でも、この前一緒にテニスしたからその重さはない。……うそ、少しある。やっぱりキラキラオーラは緊張する。


「やあ、早いね」

「わっ!ゆ、幸村くん!」


ああ、相変わらず気配けしてくるの好きだなあ。かなりびっくりするんだけど。幸村くんはいつもの笑顔で隣の席に座った。


「姫さん、なんかそわそわしてるね」

「え、そうかな?」

「このあと何か大切な用事?」


丸井くんといい幸村くんといい、本当にエスパーなのかもしれない。それかそんなにわかりやすく表情にでているのか。


「その様子だと図星かな?」

「おっしゃる通りです」

「どんな、って聞いてもいい?」

「たいしたことないよ?ただ丸井くんと待ち合わせしてて…」

「あれ、君たちもう付き合ってるの?」

「ち、違うよ!ただ丸井くんに用事があって!というか、メアド聞きたいだけで、そんなんじゃないよ!」


疑われまいと状況説明をする。むっちゃんに伝言を頼んだこととか全部。そうしたら、なんかすごく楽しそうに幸村くんは笑った。え、なにか変なこと言ってたかな。


「じゃあ、丸井はなんで呼び出されたか知らないんだね」

「う、うん?」

「それってさ、告白するために呼び出したみたいだね」

「告、白……っ!!!」

「あれ、気づいてなかった?」


私は自分のしたことに空いた口がふさがらない。私は間抜けヅラのまま幸村くんに頷いた。でも、丸井くんがそう思ってないかもしれないし。というか、そうであってほしい。


「どどどどうしよう」

「うーん、とりあえずなるようにしかならならいからね。どうにかなるよ」


幸村くん絶対楽しんでるよ。でも、っていう前に虚しく部長会議が始まってしまったのだった。





日本語×鈍感=誤解
(うわーどうしよう!)
(楽しみだね、丸井の反応)
(丸井くんが鈍感でありますように!)
(うーん、君にはかなわないと思うよ)
(ひどいです、幸村くん)
(ふふ、ほら早く行かないと)
(うー、いってきます)
(いってらっしゃい。あ、姫さん)
(ん、な、なに?)
(明日でいいからアドレス僕にも教えてね)
(え、あ、うん)
(それじゃあ、また明日)



120410




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