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野良猫のように(文彦+愛子)
都会の路地裏は、街並みの陰を映した暗部だ。とっても狭くて、得体の知れない恐怖をそこらじゅうから振り撒いていて、まるで子どもの見る悪い夢。
「……道理で、遅いわけです」
風の音に乗ってからんころんとまあ、とぼけたような軽い足音がしゃがみこむ私の前に現れた。ごみと間違って捨てられちゃったのかい、なんて、失礼な話。
2012/04/28
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