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::海馬ースデイ−ODEN−

「くっ……! 何故貴様らは毎回毎回おでんを持ってくるのだ!」
「何だよ、皆の心が籠った誕生日プレゼントだぜ?」

記念すべき今日という日に、と海馬は鍋をなみなみと埋めるおでんの匂いに呻いた。中央に浮かぶはんぺんと青い着色料で作られた青眼の出来映えは確かに良かったが、それでもおでんはおでんだ。糸こんバーストストリームを吐き出す青眼をちらりと見やってから、海馬はアテムが突き出してくる鍋を手で押し返した。

「1時間後は我が社で会合がある。さっさと帰れ」

「おいおい、一口ぐらい食えよ。その青眼はオレ様が2日かけて作ったんだぜ?」
「バクラだけじゃねぇよ、そのスープはな、俺がダシから丁寧に作って熟成させたんだぜ!」
「そしてオレは……最後の仕上げにシルバーを入れた」
「待て」
「まさに結束の力だぜ! さあ、海馬!」

ドン★ と親指を立てたアテムにほだされたわけではないだろうが「食えばいいのだろう!」と海馬は鍋を引き寄せた。


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間に合わないね。



2011/10/25




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