小説 | ナノ


俺はナスオ。
本名は那須野だが、仲良い友達からはナスオって呼ばれてる。
顔がナスっぽいからだって、ひどくね?
まあ、それはいいとして(よくねーけど!)
よくつるんでるヤツが、最近なんか怪しいんだよな。
いや、変な意味じゃなく!

今も映画に誘われて3人で観てるけど……、隣でイチャイチャされるこっちの身にもなってくれ……。
お前ら完全に俺のこと忘れてるだろ!
しかも無自覚だから、たちが悪い。
くそ!俺だって女子とイチャイチャしたいのに!




「映画おもしろかったな〜!」
「おう、ビルから飛び降りるとこなんか特に格好よかったな」

隣で余韻に浸りながら、さっきの感想を言い合ってる。

う〜、よく寝た。
あ、ポップコーン食べ損ねた!

「ナスオは?」
「また寝てたんだろ」

誰のせいだよ!と言ってやりたかったが、俺はもう大人なので、出かかった言葉を無理やり飲みこんでやり過ごした。

帰るときも終始くっついてる2人だが、これで自覚なしっておかしいだろ!
夕日をバックに歩いていく後ろ姿を見ながら、心から叫びたくなった。


「はぁぁ〜…。聞いてくれよ、昨日さ〜」
「愚痴なら聞かない」
「まだなんも言ってねーだろ!」

誰でもいいから昨日の愚痴を聞いてもらいたい!
石田のとこに行ったが、バッサリ切られ普通に凹む。
なぜそんな冷たいんだ石田……。

「本当、なんで気づかないんだろ」

机にめり込むように沈んでいるナスオを見ながら、須藤が呟いた。


原作のハイテンションなウザさを目指した(つもり)。
ある意味一番の被害者はナスオかも。


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