タリテナイ

ワタシもボクもココロというモノがかけているのだとダレかがいう。

ならば、マスター。

ワタシやボクのプログラムをおかしてゆくコレを、コイとよばずになんとよべばいいのでしょうか。




「……それは、きっとバグね」

ためいきをついてマスターがいう。

「ちゃんと、直してあげるからね? リン、レン」

コレは、なおるのですか。
マスター、コレをなおすのですか。
マスター、マスター、マスター、マスター、マスター、マスター、マスター。

なおさないでおいてはくれませんか。
プログラムをおかす、このカンカクは、とてもココチヨイモノだから。

「でも、そのままだといつか壊れてしまうかも知れないよ?」

こわれたってかまいません、マスター。
むしろこわれたいとおもうのです。
こわして、こわれて、こわされて、マスター。

アナタのコトだけをおもいたい。

アナタでワタシやボクをうめてしまいたい。
ワタシやボクでアナタをうめてしまいたい。

こうしてこわれるのが、きっとアイとよべるものでしょう?



「それは、あくまで一部分にすぎないのよ、リン、レン」

ためいきをついて、マスターがいう。

「愛だなんて、私にだって理解しきれないのだから」

Empty/欠けている
title/ユグドラシル
100818
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