ザンザスと、校舎の屋上でセックスをした。ばかみたいに晴れた日だった。青姦ができるのはいまのうちだけだといったザンザスのことばに、俺は妙に納得して、いまのうち、いまのうち、と頭のなかで繰り返しながら、何度もザンザスのくちびるにかみついたのだった。
校庭からイチニ、イチニと揃ったいくつもの声が聞こえる。来週の日曜日に予定されている体育祭の、行進の練習が行なわれているのだろう。ばかみたいだ。昔は体育祭といえば秋にやるもんだったんだけどねぇ。ホームルームで毎朝のようにそういってかえらない昔をいとおしむ教師の声を思い出す。いまザンザスとセックスをしているこの瞬間を、俺はいつかいとおしむのだろうか。
「は、はっ、はぁ、はぁ、」
あぐらをかいたザンザスの上に乗って、俺は必死に彼の上半身にしがみついていた。揺れるたびに開いた膝がコンクリートにこすれてぴりぴりと痛む。おそらくザンザスのケツもそうだろう。お互いの吐く息の音と、下半身からぐちゅぐちゅ聞こえるやらしい音とで頭がおかしくなりそうだった。背中を引くと浅いところにこすれて、すこしだけ解放された気分になる。背中を伸ばすと奥にあたるのですぐにイキそうになってしまう。すぐにイッてしまうともったいないので、俺は背中を引くのと伸ばすのとを交互に繰り返しながら、ばかみたいに腰を振っていた。
「んん……っ、あ、あ、やっべ、待て、イッちまう、あ、止め、止めて」
ひくひくと腰が疼きだしたので俺はザンザスに訴える。ザンザスは荒く息を吐きながら不服そうに眉をよせた。
「出しゃいいじゃねぇか」
「いやだ、一回出すと、あんまり気持ちよくなくなるんだぁ」
半分泣いているような情けない声が出た。しぶしぶといった様子でザンザスは俺のケツからペニスを抜く。あれ、ちょっと休憩するだけでいいんだけど、と思っているとザンザスはコンクリートに膝をつき、俺の開いた足のあいだに身をかがめてしまった。そうして俺のペニスをくわえると、口のなかにいれたままゆるくしゃぶり出した。決してくちびるではしごいてこない。舌を押しつけるようになめてくる。
「ん……、はぁ、う、うう」
腰が勝手に震える。俺はコンクリートにあお向けになり、膝だけを起こしてザンザスの愛撫を受けていた。ザンザスのフェラはとてもきもちいい。女の口は小さいから、どうしたって歯があたる。
「はぁ、くっそー……、きもちいい……」
頭を動かしているわけでもないのにやけにザンザスが震えていると思って下を見ると、俺のペニスをくわえたザンザスが自分のペニスを扱いていた。えろい眺め。そうしているとどっちが受けだかわかんねぇなあと思ったがきっと口に出すと殺されてしまうので、目を閉じてフェラとオナニーにふけるザンザスの顔をじっと鑑賞するにとどめておいた。
授業の終わりを告げるチャイムが鳴る。校庭でイチニ、イチニと叫んでいた全校生徒がこの校舎に戻ってくる。一応屋上への扉の鍵は閉めてあるので心配はないが、万が一スペアキーで開けられでもしたらよくて停学、最悪退学をくらってしまう。そろそろ出してしまおうかとまたザンザスを見る。
「ふ、うう……っ、ん」
俺のペニスにしゃぶりついたまま、恍惚とした表情を浮かべてザンザスは射精してしまった。ふざけんなと俺はザンザスの頭を両手でつかんで腰を振った。射精する瞬間、息を吐きながら背中をのけぞらせて真上の空を見た。雲ひとつない晴れた空。
「ばかみてぇ」