※会話文






「あー分かっちまったや、これ。八左はやっぱり主人公にはなれないんだよ、位置的に。主人公のライバルにしかなれないんだよ、配置的に。わあい、やったね八左。脇役だよ八左。ひゃっほーい」


「何だよお前それ俺を貶(けな)してんのか泣くぞ」


「ちょ、おま、ちゃんと敵倒せよ突っ立ってんじゃねえよ!俺ばっか体力減るだろが!」


「あーちなみに三郎は主人公タイプね。なんかすっげえ未来を背負い込まされて、すっげえ敵と戦わせられて、すっげえ終わりを迎える主人公タイプ。何それ切ない。三郎どんまい。今もどんまい。しょうがないから回復してあげるね」


「言いたいことは多々あるが名前まじ感謝。助かった。八左ヱ門、お前雑魚よろしく」


「おー。てかなんで俺脇役なんだよ納得出来ねえよちくしょう。このゲーム俺のだぞ」


「永遠の二番手。その名は…竹谷八左ヱ門!」


「てっめえ三郎、今お前に奥義を使ってやってもいいんだぞ。お前に敵が来るように仕向けてやんぞ」


「やってみろ。俺には名前のご加護がついてる」


「私はいつでも脇役八左ヱ門の見方だよ!ケアル!」


「名前好きだ愛してる」


「名前貴様裏切りやがったなぎゃあああ八左ヱ門てめえ敵がこっちに、ちょ、ま」


「はい三郎死亡ー」


「調子乗った罰だぜ、ざまあみろ」


「…思った。庄ちゃんみたく冷静に考えてみたら、味方である俺を倒しちまったらお前らが大変になるんじゃないか?」


「そういやお前味方だったな」


「糞左ヱ門てめえ…」


「ははは、そこは大丈夫ってもんだよ三郎。こいつら倒した後にでも回復してあげるから、ちょい待っとれ」


「だからどうやって倒すんだよ。結構これ死亡フラグだぞ」


「確かに。俺も名前も、もうあんま魔法使えねえし、そういった道具も使っちまったからなあ。どうする、もっかいセーブしたとこからやり直すか?」


「ちっちっち、諦めるのはまだ早いってもんだよ諸君」


「何それ、何の真似?」


「脇役ライバルくん八左!」


「え、あ、はい」


「え、俺無視?」


「君は主人公が使えない魔法を残りのマジックポイントで使えるはずです。それがこのパーティーの最後の望みです。さあやりなさい!撃ち込むのです!私たちを、三郎を、救うのです!」


「だから誰だって」


「あ、なるほど、おほー分かった!これだな、よっしゃ、やってやるぜ!」


「わー、いけー、八左ー!」


「食らえ!メテオ!」


「おおー、やるなあ八左ヱ門。俺それ覚えてねえや」


「…全、滅!俺すげえ」


「やったー。だから私は脇役ライバルくん八左の味方なのです。主人公より強いから」


「にやにやしながらこっち見んな。つまり俺が弱いってこったろ。名前ひでえ」


「いつだって裏で頑張っているのは脇役なのだよ主人公三郎くん」


「分かった分かった。だからさっさと復活させてくれ」


「……」


「……」


「……」


「実を言いますとね、」


「…やべえ続きが予想出来ちまった」


「三郎を復活させてあげられるだけのマジックポイントが私には残っておりません」


「やっぱビンゴだよ…」


「んじゃあこの後どうすんだ?」


「主人公置いて町まで行くしかないね。いやあ、頼りにしてるよ八左くん!」


「おう、任せろ!」


「あれ、主人公無しで先進めんの?」


「え、主人公って誰のことですかねえ、八左くん」


「さあ、なんのことだかさっぱり分かりませんなあ、名前さん」


「これなんてメテオ!?」






11.05.05


メテオ=一方的イジメ
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