88.持て余す

※未プレイなので、キャラ崩壊注意






つまらない、とルビアは青い空を眺めて心の中で呟いた。

今日に限って退屈なのだ。

いつもは何かしらやることがあるのに、今日は何もない。

やるべきこともやりたいことも何もなかった。

だから、ただ青い空を見上げて文句を言う。

誰かから見れば確実に幸せな光景だが、今のルビアは小さすぎるほどの刺激を欲していた。


「あれ、ルビア? 何やってんだよ」


恐らくたまたま通りかかったのはカイウス。

彼ではルビアの悩みを解決してくれそうにない。

話に出す間でもない。


「内緒。カイウスには教えてあげない」

「何だよ、それ」

「やることあるんでしょ。あたしに構わずそっちやれば?」

「そんな言い方ないだろ」

「あー、ごめんねー」


間もなく喧嘩に発展するものと思われた。

けれど、そこは幼馴染み。

やれやれとついたため息が重なり、それは笑い声へと変わった。


「無理には聞かないけどよ、いつものルビアとどっか違うよな」

「カイウスがそんなこと言うなんて、明日は槍が降ったりするの?」

「あのな……」

「冗談。実はね、ちょっと退屈してたの」

「退屈?」


ルビアは今朝から今までのことを簡単に話した。


「なるほどな」

「もうカイウスでいいから、何かアイデアちょうだい」

「言葉を選べよな」


ルビアはちゃんと言葉を選んでいる。

カイウスと馬鹿みたいな話ができるようになる言葉を。


「好き、なのかな」

「ん? 何か言ったのか?」

「別に。何も。カイウスがもうちょっと大人だったら良かったなって思っただけ」

「……」


反論するのも疲れたのか、カイウスは小さなため息をついただけだった。






も て あ ま す



2011/10/31




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