2014/02/12 15:53 「弥子ちゃん」 「笹塚さん?」 「頼み、あるんだけど」 「?」 「好きって、言ってみてくんない」 「へ?」 「俺に。一回でいいからさ」 「・・・・・・・・笹塚、さん?」 「――そしたら、今度こそ。諦めるから」 【 キルゴン 】 「なぁゴン、頼みあんだけど」 「ん?なーにキルア」 「―――好きって、言ってくんない?」 「すき?」 「そ、」 「・・・・・・・・キルア?」 「嘘でもいいんだ。気持ちとかそーいうの。籠ってなくても」 「お前の口から、言って欲しい」 女々しいとか、らしくないとか。笑ってくれていい。それでも俺は、虚しい気持ちに覆い尽くされても。お前の口から聞きたいんだ。 【 梵鴇 】 「嘘でもいいから。言ってくれないかい」 「へ?」 「・・・・・・・・・・戯言だ。忘れてくれ」 【 伊佐華 】 「・・・・・・別に。嘘でもいい。想ってなくたっていい。お前の口から、聞きたいんだ。蒼井」 「・・・伊佐奈さん?」 俺がお前を愛しても、きっとお前は好意を抱くことなどないだろう。醜い己を水面に映し、逸らした。 それでも諦められないなら、最初で最後の言葉が聞きたかった。 【 ジノタツ 】 冗談のつもりだった。ふざけて、それで終わりにしてしまいたかった。誤魔化してしまおうとしたのだ。 「嘘でもいいから。好きって言ってよ、タッツミー」 練習後、ふいに思いついたように言ってみた。 示し合わせたように誰もいなくて、自販機前で買ったばかりらしいドクターペッパーを手に、驚いたようにこちらを見て来た。 常に眠そうなやる気の薄い彼からそんな表情を引き出せたことに満足ともなんともいえないものを得て、ぞくぞくとした。しかしそれから彼の瞳から感情というものが一切消えた。 「嘘?って、なにそれ。冗談にしちゃ性質悪いでしょ」 「飽くまでも本気なジョークだよ」 「お前はそれでいーわけ」 「うん?」 「・・・・・・お前がいいならそれでいーけど。そしたら俺の気持ちどーなんの?」 「え?」 「気付いてもないならもーいーや」 アホ臭いと言ってから行ってしまおうとするから。思わず腕を取った。 もしかしてなんて期待が胸を過るのを無視する。だって相手はあの達海だ。期待してはいけない。いけないとわかっているのに。 「・・・・ごめんねタッツミー。よく聞こえなかったんだけど、どういう意味?それって、」 「ジーノ、痛いんだけど」 「ごめん。でも離さないよ」 きっと期待通りにも思惑通りにもならない。嵌ってはくれない。それが達海という人だから。それでも早やる気持ちが勝手に慣れたように口を滑らす。 「ねえタッツミ―。どうして言ってくれないの。やっぱり気色悪いかな。でもただの嘘じゃない。ほんの気紛れの僕の相手をしてくれるだけでいいんだよ」 「・・・・・・」 むっつりと黙ったままで眼線も合わせてくれない。だんだんと別の不安が頭を擡げて来る。もしかしたら、本当に気色悪く感じているだけで、違うのかもしれない。どこかもしかしたらなんて希望に縋りたがっていた気持ちが直ぐに凋んでいく。いつもそうだ。何に対しても自信というよりも当然といったように物事を受け入れこなしてきた。けれど彼に対してだけはどうにもならない。思い通りになんてならない。だから、見ているだけなんて似合わないことをしていた。僕にしては遠まわし過ぎる得点を入れることでラブコールなんてこともしてきた。 「ねぇタッツミー」 お願いだ。どうかこっちを見て。 (やはりやめた方が良かったのかもしれない) 片想いなんてしたことがなかったからわからない。恋する気持ちなんて知らないわからないんだ。どうしてこんな苦しい気持ちで皆平気でいられるんだろう。 僕にはとても耐えられない。見ているだけなんて、辛いだけなのに。触れることもできない。愛を囁くこともできないなんて。だったらこんな気持ちなんてものは、持っているだけ無駄じゃないか。苦しいだけならいっそ知らない方がいい。だから、忘れてしまおうと。切り捨ててしまおうとしたのに。 (嫌われてしまうなんて、予想してなかった) すうと薄ら寒いものが身体を覆った。 【 リクユラ 】 「嘘でもいいから、言ってみてくれよ。ユラ」 「なにをや?」 「俺を、愛してるってさ」 「んなッ!」 【 工藤→真 】 「嘘でもいいからさ、好きって言ってみてよ。中島さん」 「はぁ?嫌に決まってるじゃないデスか!」 「冷たいなぁ」 (わかっていたことだけど。やっぱり少し、寂しい、かな) 「嘘でも好きな人に好きだって言ってもらえないなんて。僕って可哀想だよね」 「」 【 黄黒 】 「嘘でも良いから、好きって言って。欲しいんス」 「・・・・・・・・黄瀬くん。君はそれでいいんですか」 「え?」 「本当に偽りの言葉で君が満足するなら、いいですよ」 「でも僕はとても不快です」 「・・・・・・・・・・それくらい、嫌ってこと。すか?」 「君は本当に馬鹿ですね」 【 桃黒 】 黒子の結婚式の前祝いの飲み会。帰り路にて酔っぱらった桃井が言う。 「ねぇテツくん。私テツくん大好きだよ」 「桃井さん?」 「最初で最後でいいから。嘘でもいいから。・・・・・・好きって言ってくれない、かな?」 「・・・・・・・桃井さん、僕は、」 「冗談だよ、テツくん」 緑黒 灰黒 ジェノサイ 日六 沖神 兄神 律モブ テルモブ 白ツナ リボツナ ムクツナ comment (0) |