2012/12/03 18:24 どこで聞いたメロディだろうか。割りと有名だった気がするのだが。 本当は気づいているくせに、わからないふりをして、俺は笑いかけた。向こうから来る人影に。 「悪い新田」 息を切らしている。別に時間よりも早いのだから、急がなくても良かったのに。 「別に遅れたわけじゃないだろ」 「いやそうなんだけどさ、」 照れたように、でもお前待たせたくなかったんだもんな。と言った六太に可愛いなと思いつつも新田の顔は強張ったままだった。 そうとは気付かず、六太はまた言った。 「ほんと悪いなー」 六太の背後から、ゆらりと影が動いて一人の人間になる。 見覚えのあり過ぎるその顔に、改めて全身が凍った。何でだとかどうしてだとか。もう今更そんなことはどうでも良かった。 「日々人も付いて来ちゃってさ」 「どうも新田さん」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どうも」 昨日ぶりですと微笑むイケメンからは、ター○ネーターのテーマソングが漂っていた。 comment (0) |