催花雨


 


ぽっかりと口が開けた横穴の前に立ってみた。
声を投げれば、真っ直ぐ伸びていく。そして、消える。何度かそれを繰り返した。先は真っ暗で目視できないから。ランタンの灯火は頼りないもので綺麗なだけ、果かなげに揺れるだけ。なんの足しにもならない。しゃがんでやらねば足元すら照らせないとは明かりとしてなんの意味があるのか。ただその炎は不思議な温かさを放っていた。世界はまだ優しい夜しか知らない。
 

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