催花雨


 遠くの彼方で狼煙が上がっている。きっと呼んでいるのだろう。何を、誰かを。――一体、だれ?
古い塔からそれを見た少年は表情を歪めた。厭な臭いが鼻についた。足元から立ち込めつ悪臭は、地よりもっと下から這い出てきたものだった。そう黒煙が巻き込んだんのはこの世の骸から出でるもではない。眼前の荒原を飲みこんでいく禍々しいアレにも即視感があった
何故か知っている気がした――お互いに。恐怖が身体をここに縛りつけている。息苦しさを思い返す。少年は己の内側から激しく叩く熱を感じていた。はち切れんばかりの何かが逃げ出そうと藻掻く。それに不快感を覚える。怒りを覚える。その反面でそいつがくれる快感を知っていた。少年の表情が忙しなく変化する。誰も知らないところで。荒ぶる朔風が疾った。そのとき、最期の滴があまねいた。

<!/こんな感じになるよ

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