「あ、鈴木くんこっちー」
「………」

“学校終わったら寮の談話室来てね”

言われたとおり一階にある談話室らしきところをのぞくと、丸テーブルに雀卓を置いてジャラジャラ音を立てて遊んでいる怖そうなひとたちがいた。あれ間違えたかな。雀荘来ちゃったか。しまったしまった。
部屋のプレートを思わず二度見すると「談話室(笑)」とあった。誰だ最後の(笑)書き足したやつ。


席についていたのは4人。
ひとりは今朝声をかけてきた白い金髪の先輩。おれが顔を出した瞬間にやにやとした笑みを浮かべて周りのひとに「あれが噂の鈴木くんー」とこっちを指さしながら何事か囁いている。正直入りたくない。


「おいで」
「えー……」

あのひとが隊長?なんだっけ。風紀委員長。阿久津だったっけか。
手招きされるがままに中に入ると、雀卓にいた他三人もこっちに目をむけた。

「今朝はどーもね。さっき申請書も受理されたから」
「あ……どーも」
「じゃあ今更だけど、僕は3-Aの阿久津ね。覚えて」
「……阿久津、せんぱい」

白すぎるような肌に色素薄いひとなんだろうなぁと思いつつ無意識に名前を反復すると、周りのひとが息をのんだような雰囲気になった。

………あれ?


「……かわいい」
「は?」
「なにこの子ちょうかわいいー!!!!」

なんか空気不穏じゃね?と思い後ずさりしようとしたとき、阿久津先輩の横に座っていたひとがぷるぷる震えた。かと思ったら突然抱きつかれた。

「えー噂と全然ちがうじゃーんめっちゃかわいいかわいい!」
「誰」



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