4時
変貌を遂げる
朝
朝 浅 asa
朝の姿
朝の太陽の姿
朝の太陽に照らされる町の姿
朝の太陽に照らされてあらわになる町の人々の姿
目醒めの朝 照射 あらわになる姿
変貌の四時
ざわめく姿 目醒める姿 卵
やわらかく清潔なシーツ
やわらかく薄く弱いまぶた
やわらかく鼻孔からもれる寝息
やわらかくカーテンをゆらす、
窓はどこも開いていない。
照明係はサボることを習わなかったし、照明係の教育係もこの世のどこにもいないので、消灯係と天文学者は今日もきっかり日替わりで消灯時間を計算する。
日替わりで変わる。今日はどこが変わっている? 気付いても気付かなくても今日は終わる。
終わりを論じるには早朝過ぎると笑われそうだけど、一日がありあまったことなんて一度もない。
照明係はあわただしくしかしきっかり定時にON-OFFする。照明係はどんな要望も聞き入れない。照明係は悪いことはしていないよ。ただその雇い主はどこに隠れやがった?
日替わりで変わる次々の朝はお手本のない間違い探しに似ている。お手本が次々に新しい間違いに変貌していく。記憶に頼った、そしてその記憶も間違いの可能性がある間違い探しなんてアンフェア過ぎてもはや挑戦者はどこにもいない。かつてのプレイヤーは今もゲームが続いていることなど知らなくて観客のつもりでおうちに帰って朝日を拝んでいる。順々に自らが間違っていくことなど気付かない。思ってもみないからだ。
もしもし、あなたは間違いですよ
間違いを宣告し続けるプレイヤーももはや間違っているのだろう。
間違いが一周してみんな二度目三度目の間違いを始めているのかもしれない。
暗転の瞬間から闇の中に潜む間違いは蠢き始める。
次の点灯時間までのかくれんぼ。スタートを告げるのは照明係、ではない。雇い主。
間違い探しに正答は無い。お手本そのものが間違いなのだから。
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