ありふれた朝のはずだった

足音と人数が一致しないことがある。
それは、急いだ人がいつもの二倍の足音を鳴らしているのかもしれないし、
わざと物音ひそめて歩くような人がいたり、
松葉杖や車椅子やベビーカーの人もいるだろうし、
空を飛ぶ奴もいるかもしれないし、
おれみたいに足音だけで姿形が見えない奴も
雑踏の中にまぎれているのだ。

たとえば、
朝食の目玉焼きの黄身を
外は完熟・中は山吹色の半熟に
きれいに焼ける
ことではなく
その最高傑作の目玉焼きを
見せびらかせる
ということ


夜明けの夢では
呼びかけると
あなたは振り向き
笑ってくれる?


日光消毒


あの夢の続きが思い出せない

さあ、新しい朝が来た
おはよう
とっとと起きろ

ありふれていたい朝だった。





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