笑い転げている政宗への説教は小十郎に任せて、いまだに光を放っているパソコンの画面に視線を向ける。たしか、小十郎が言うには、まだ出てくるって…。
「ねぇ佐助。あとの人達ってどんな感じ?」
不安になり、すぐそばで幸村におやつを与えていた佐助に聞いてみると、少し苦い顔をされた。え、そんなにキャラ濃いの…?
「うーん、俺様も全員は知らないんだけど、とりあえず二人は知ってる。そいつらを一言で言えば…、喧嘩するほど仲が良い…?」
なにそれうるさそう…。ていうか、全員は知らないって、そんなに沢山いるの?刑部どういうことだ…。
「とりあえず、見たらわかるよ。……ほら、噂をすればなんとやら。うるさい二人のお出ましだよ」
佐助の言葉と同時に、パソコンの画面からより一層強い光が溢れた。
現れたのは、半裸と緑でした。
「何故我が貴様などと共に出なければならんのだ」
「うっせーな。そりゃあ俺のセリフだ」
「寄るでないわ、半裸が移る」
「ってめぇ!俺だって緑の妖精みてぇな成りしてる奴には言われたかねぇよ!」
「貴様の口から妖精などと…。流石は姫若子、似合っておるぞ」
「っ毛利いいい!」
「寄るでないわ、姫若子が移る」
誰か彼らを止めてください。
そう思って佐助達を見るも、皆ここぞとばかりに自分の事に集中していて、まるで我関せずだ。薄情者!
「…あ、あの…」
勇気を振り絞って声を掛けてみると、凄い勢いで振り向かれた。怖っ!!…いや、めげるな私!
「は、はじめまして…。わた、」
「おお!お前が俺のマスターか!俺は長曾我部元親。元親でいいぜ!よろしくな!」
「あ、はい…。苗字名前、です」
半裸の人改めて元親に、言葉を遮られたが、あいさつもしてくれた。なんだ、この人は案外良い人なのでは…?見た目で判断することが、どれだけ間違っているかがよくわかった。
…ところでもう一人の緑の人が、さっきから私を睨むように見てきます…。視線で殺されそう。
「おい毛利、そんなに睨みつけたら名前がビビるだろ。あいさつしやがれ。俺らのマスターだ」
元親が庇ってくれるけど、あまり快く思われていないみたい。
「…ふん。このくらいで怯えているようでは、我のマスターとは認めぬ。…小娘」
「は、はいっ」
「貴様は仮にも我のマスターだ。もっと堂々と構えていろ」
「!、はい」
やっぱり、見た目で判断しちゃ駄目だな。この人達は、とても良い人だ。
「名前、こいつは毛利元就。好きなように呼んでやれ。見ての通り素直じゃねー奴だ」
「そういう貴様は半裸ではないか」
「てめぇ…」
「ほぅ、我とやる気か」
「上等じゃねぇか!」
「ふん、単細胞が」
でも、喧嘩するほど仲が良い、っていうのは、間違っている気がするよ、佐助…。
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