どういうことなの



スマフォのアラームが鳴る。身体は布団の中のまま、そのアラームを止めた。なんてことない、いつもの嫌な朝だ。寝起きがよろしくないから正直早番の仕事しんどい…。

アラームを止めたはずのスマフォがまた鳴り出す。この音は着信だ。スマフォを手に取ると、いつもより軽い気がした。名前を見れば母親であった。
「もしもし?」
「ちゃんと起きたの?今日は大事な日なんだから、しっかり準備しなさいよ。髪の毛もちゃんとといて」

だって髪の毛そんなとかなくてもドストレートヘアだから手櫛でなんとかなるんだもん…。ってか大事な日とは。
「今日なんかあったっけ?」
「あんたちゃんと起きなさいよ!?入学式でしょ!?」


ン??????

「ごめん今さ、にゅ、入学式とな…??」
「そうでしょ!?今日って言ってたでしょ!?」
「私受験したっけ…?」
私の頭で大学受かるわけないし、そもそも大学受験なんて記憶が……つか大学入るようなお金ないじゃん。

「なにバカなこと言ってるの。学校からすぐ近いからゆっくりできるだろうけど、ちゃんと余裕持って出なさいよ?」

そう言って電話は切れた。ちょっと今めっちゃ混乱してる。混乱してツイッターに「今日入学式らしすwwwフォwwww」とか打ち込んだ。一人だと混乱の捌け口がないんです。
と、つぶやいて気付いた。
自分のツイートの日付。4月。4月…????えっいや入学式だから4月……いやちょっと待て私昨日まで寒い寒いって言って11月を過ごしてたぞ?あれっ私今まで月すらも間違えてたの?仕事の朝礼ノートとか注文書全部11月で書いてたぞ?やばくね?

「……意味がわからん。まぁいいや、とりあえず朝ごはん食べよ…。」
ベッドから降りて薄暗い部屋を歩く。3歩目で何かに足をぶつけた。見下ろすとそこには見覚えのないバッグ。
「えっなんじゃこのカバン……私こんなの持ってない…」
とりあえず電気つけるか。パチリと電気をつけてバッグを確認。スクールバッグみたいだなぁ、と失礼ながら開けて確認すると私のペンケースと財布と高校の時愛用してたルーズリーフファイルが入ってた。なんじゃこりゃ。隅々まで確認すると、文字が書いてあった。AOB…A……J…じ、じょうさい…………青葉城西!?

「はっ……?えっつまりこれ…青城のスクバ?」

なんでこんなものに私の私物が。さらに混乱してる。起き抜けかつまだ朝のエネルギーを摂取してない脳がぐるぐると混乱してる。
まさかと思い、玄関を見る。ぴっかぴかのローファーがそこにあった。あかんやつやこれ。
夢なんじゃないかと典型的だが頬をつねる。痛い。なにこれどういうことなの……。
恐怖やら不安(主に今日普通にバイトのはずだから遅刻とかになるんじゃないかっていう)やら期待の気持ちでドクドクと鳴る心臓をおさえながら、最後の砦、クローゼットを開ける。

「…………あぁ…」

黒いスーツの代わりに、そこには真っ白いブレザーにキャラメル色のスカートがあった。

それを見て妙に冷静になってきて、スマフォでツールバーを下ろす。やっぱり4月。確信しました。どうやらトリップしたみたいです。




- 3 -


[*前] | [次#]
main

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -