烏さんたち



「こんにちは、本日は練習試合のためにわざわざありがとうございます。青葉城西マネージャーの清河瑠璃です」

わーいわーい!今!烏野が目の前にいます!かわいい!!と思いきや田中が真っ先に私に反応した。

「潔子さんには及ばないがこっちのマネも美人だな…!」
「失礼な坊主頭さんですね。刈りますよ?」

そう切り返すとピシリと固まり大地さんに肩掴まれてた。ドンマイ。
ところで具合が悪そうな日向くんがいらっしゃるが大丈夫だろうか。さっきまで吐いてたんだよな。さぞお腹と喉が気持ち悪かろう。

「そこの子、具合悪そうだけど大丈夫ですか?」
「あぁ、すみません。初めての練習試合らしくてかなり緊張してるみたいで」
大地さんは苦笑して漏らすと私に挨拶をした。

「主将の澤村です。よろしくお願いします」
「澤村さん、よろしくお願いします。一年生なので気軽に呼んでください。」
「そう言ってくれると助かるな。お言葉に甘えるよ!青城のマネージャーは清河だけなのか?」

おおお大地さんに呼び捨てされたよ…がっしりしてるなぁ……頼もしい主将だ…。

「はい、近年はマネージャーが居なかったみたいで私だけです」
「一年生で君だけって大変だなー!覚えること多くて大変だべ?」
「スガ、まず挨拶しろ」
「おっ、ごめんごめん!俺、菅原な!よろしく!」

柔らかい優しい笑顔をこちらに向けたのは我らの大天使スガさんでした。眩しい……烏野とか黒い名前なのに天使ばっかりだなここ。

「今日試合させてもらえるお礼といっちゃなんだけど、なんかわかんなかったら清水に聞いて!」
「えっ……」
「うちのマネージャーなんだけどさ、清水もマネージャー仲間出来たら楽しいと思うし」

ニカッと笑うスガさんは、私のことと潔子さんのことのどっちも考えた結果こうなったんだろうなぁ。三年生尊い……。
「気になってたところいくつかあったので、ぜひ聞いてみたいと思います!ありがとうございます!」

お礼を告げたところでバタバタと来たのは山口。アホ毛そばかす天使来ましたよ。でかいのにほっそいなー。体格的にあきちゃんより細いんじゃないの?

「大地さん菅原さん!日向がまた吐きそうです!!」
「あ、じゃあ体育館近くまでですが場所ご案内しますね。そこから日向くんを御手洗いに連れていきます」
「おぉ……一年生しっかりしてるな〜」
まぁあなたたちより生きてるのでね!!ご案内なんて慣れたもんよ!!と思いながら烏野を連れて歩く。と、途中で矢巾先輩と勇くんを見付けた。憎たらしいことを言っている二人に絡む烏野(っていうか田中とツッキー)。

「勇くん、矢巾先輩、こんなとこで油売ってないでアップ行ってくださいよ。相手がどうかなんて試合までわかりませんよ」
「瑠璃…」
「なんかあるならあとで聞くから、ここで絡むのは学校のイメージ的によくないってわかるよね?勇くん?矢巾先輩もわかりますよね?」
「「……っはい…」」

こいつらなにげに仲良いな。よし、と思うと向き直り体育館の方を指す。
「というわけで体育館があちらです。わからないときはそこの矢巾先輩でも使ってください。私は日向くんを御手洗いに連れていきますね」

じゃあ日向くん行きましょう、と支えながら歩いてそこを離れた。



「………青城のマネージャー、清水と違った強さがあるな…」

呆気をとられる烏野メンバーだけがそこに残った。








「本日はよろしくお願いいたします、清河瑠璃です」

体育館に入り女神様に近付き挨拶をする。平常心を保とうとするが美しすぎてガッチガチである。えぇ、美人に弱いんです!

「こちらこそよろしくお願いします。清水潔子です」
「清水さんですね!私は一年生なので好きに呼んでください。マネージャー初心者なので色々お話聞けると嬉しいです!」
「名前でいいよ。よろしくね、瑠璃」

そう言ってくれてにこりと笑った潔子さんはそれはそれは美しかった。本当に女神様だった。眩しい!!


「それでは、青葉城西高校 対 烏野高校の練習試合を始めます!」



そんなこんなで始まった練習試合は、ガッチガチの日向くんが影山くんにぶち当てたサーブによって流れが変わるのだった。

ほんとに後頭部サーブであんな音するんだなぁ……。





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