贈物。 | ナノ
All is well that ends well.



夏といえば、皆は何を思い浮かべるだろうか?



カキ氷?夏休みの宿題?それとも、女の子の水着か?



俺が思い浮かべるのは、一昨年の花火大会だ。













年に一回、尸魂界で行われる花火大会。



そこに、俺は好意を寄せていた女性を連れてやってきた。



「穴場ってどこよ?人いっぱいじゃない」



「焦るなって。すぐに見つかる穴場なんて穴場じゃねえだろ」



「それもそうね」



人ごみを掻き分けて進んでいく。



はぐれてしまわないように、手を引いてやりたかったが、俺にそんな強引さはなかった。



今では、そのことを少し後悔している。



しばらく、人ごみを掻き分けて進むだけの時間になった。



「ねえ、まだー?」



「もうちょっとだから、辛抱してくれ」



小高い丘の上。ここが、俺が見つけた穴場だ。



「間に合ったな・・・」



「どの方向に見えるの?」



「たぶん、あっちだ」



俺が指を差した瞬間、空に大輪の花が咲いた。



それを見た彼女は、大きな歓声を上げ、目を輝かせた。



「すごーい!きれーい!」



花火の音に負けないように、俺は声を張り上げた。



「そうだろ?去年の花火大会ん時偶然見つけたんだ」



「去年?一人で行ったの?」



・・・苦い思い出を、こいつに話すのは、気が乗らない。



「いや、阿散井と吉良の野郎3人、だ・・・」



途端に小さくなった俺の声を聞き漏らすまいと、彼女は顔を近づけてくる。



そして、小さく吹き出したと思ったら、大声で笑い出した。



「あははははは!さっみしー!!」



「し、仕方ないだろ!阿散井に無理やり連れて行かれたんだ!」



ムキになって言い返すのは子供っぽいと思ったが、誤解されるよりましだとも思った。



「そんなに行きたかったんだね、阿散井くん・・・」



俺に哀れみの目線を向けるのをやめてくれ。俺は阿散井じゃない。



「まあ、そのおかげでここを見つけたんだけどな」



「それもそっか」



赤、青、黄色、様々な色に染まる空。



俺は、それを落ち着かない心臓のまま、眺めていた。



しばらく花火が打ちあがらなくなった。小休止のようだった。



「ありがとね、誘ってくれて」



「お、おお・・・」



今がチャンスなのかもしれない。



そう思った瞬間、今まで気配の無かった心拍音が、頭の奥まで響いてきた。



一度、気づかれないように深呼吸をした。



「なあ」



「ん?」



俺の声は、突然再開した花火の音でかき消された。



「え、何?聞こえなかった!」



俺は、一大決心を木っ端微塵に砕いてくれた花火を恨んだ。



もう一度、しかも聞こえるように大声で言うなんて、恥ずかしいにも程がある。



「忘れてくれ!」



「えー?何でよー、もう一回言ってくれたっていいじゃない!」



「言わん!」



「言ってよ!」



「誰があんなこっ恥ずかしい事二度も言うか!」



・・・俺の馬鹿。



「え、恥ずかしいこと言おうとしてたの?益々気になる!」



こうなりゃ、自棄だな。



「ふわっ!?な、なに!?」



「・・・もうちょっと色気のある声出せよ」



大声で言うのはどうしても避けたかった。



だから、抱きしめた。



「い、色気って・・・」



「いいか、一回しか言わないからな。ちゃんと聞けよ」



「了解です・・・」



今度は花火にかき消されないように、耳元で。



「お前が好きだ」







All is well that ends well.







「ねえ修兵、今年の花火大会、そろそろじゃない?」



「あー、そういやそうか。今年は仕事もなさそうだし、久々に行くか」



「うん!」



fin.



いつもお世話になっている鵺雲さんへ捧ぐお誕生日記念の修兵でございます!
夏っぽい小説を書きたいなーと思ったら、こうなりました。
ばかっぷる書きます!と言ったものの、付き合ってすらいないという・・・すみません。
愛はたっぷり詰め込んだつもりです。よろしければお受け取りくださいませ!





******


あ、あわわわわ…!
いいんですか、いただいちゃっていいんですか((((゚д゚;))))
修兵の可愛さににやにやがとまりませんよ、どうしましょう(´ω`*)

この恋愛に慣れてなさそうな感じがね、けしからんですよね!
なのに決めるトコは恐ろしいほどかっこいいからもう…!
しかも耳元で告白なんかされちゃった日には、ワタクシ耳が壊れちゃうと思います(笑)

あぅあ、はあはあしすぎて酸欠になりそうです私w


いつも思うんですけどね、杉田さんの書く一護も修兵も、ホントツボだから困っちゃうんですよね。
だって今自分が引くくらいテンションがあがってますもの!
こんなにステキな誕生日プレゼントをいただいて、もう私のこれからの一年は気持ちがうきっぱなしですわ☆
うんうん、杉田さんの愛をしかと受け取りましたぞ!!


こちらは何もお送りしていないというのに…本当に本当にありがとうございますm(__)m
もし今からでもよろしければなにか贈らせてやってください(>_<)
いただいたかわゆい私の婿(ぇ)は、家宝として崇め展示させていただきます^^

これからもどうか仲良くしてやって下さいね!
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