贈物。 | ナノ
吹雪も止むような高揚



何故か、檜佐木副隊長は私に冷たい。


他の人が帰宅しようと副隊長に声を掛ければ「お疲れ」と一言返している。


だけど、私が声を掛けると、さも早く帰れと言わんばかりに片手をひらひらさせてこっちには目もくれない。


何か副隊長に迷惑を掛けたかと考えると、日頃のミスの多さに思い当たるから、それも仕方ないのかもしれない。


使えない部下にかけてやる言葉は無いのだろう。


でも、東仙隊長がいらっしゃった時は声もかけてくれたし、私も目も見てくれていた気がする。


東仙隊長が消息不明になって、今までの化けの皮がはがれたのだろうか。


雛森副隊長が言うには"そんな人じゃない"らしいけど・・・。



吹雪も止むような高揚



今日の職務が終わる。


瀞霊廷通信の編集に掛かりきりの檜佐木副隊長は、ここには居ない。


お茶くらい淹れて差し上げようかな。


帰り支度を整え、お茶を湯飲みに入れ、編集室に声を掛けた。


「副隊長、お茶が入りました」


『・・・どうぞ』


ぶっきらぼうな声。


やっぱり、嫌われてるのか・・・。


戸を開けると、丸まった背中が目に入る。


「どちらに置きましょうか」


「あっちの机に置いてくれ」


振り向きもせずに腕を伸ばして、副隊長が向かうのとは別の机を指した。


「はい。・・・では、私はこれで失礼します」


さあ、帰って遅い夕食をとろう。


「・・・なあ」


戸に手をかけたその時、背中に声がかかる。


「はい」


「向こう、誰も居ないのか?」


相変わらず、体は机に向けられていた。


「はい。私が最後です」


「そうか。あー、帰んな、まだ話がある」


答えた後、再び戸に向き直って帰ろうとすると、止められた。


「・・・はい」


何か、叱られるのだろうか。


「お前さ、俺に言いたい事とかない?」


「え?」


「あ、いや、最近お前に冷たく接してる気がするから・・・不満に思ってたら悪いなって」


自覚してらっしゃったんだ。


それなら、何故直してくれないのだろう。


「そう、ですね・・・。私の不出来さ加減についに副隊長、嫌気が差したんだな、と思ってました」


「それは違う!」


急に大声を出されて、肩が跳ねた。


「そりゃ、お前はそんなに優秀って訳じゃない。でもな、嫌気が差すなんて事はありえない」


背を向けたままではあるけれど、その背中が私に何かを訴えている。


「接し方が、分からなくなったんだ」


「接し方?」


そんなの、今までと同じで良いのでは?


「隊長が居なくなって、破面も攻めてくるようになった。俺は副隊長として九番隊全員を護ってやらなきゃいけない。なのに一番に思い出すのはお前だった」


「え・・・」


「その時、あー、俺こいつが好きなんだな、って自覚した」


「副隊長・・・?」


嫌われてるんじゃ、なかったの?


「そしたら今までと同じように出来なくなって・・・、ごめんな、鵺雲」


涙が溢れた。


「そう、だったんですね。私、てっきり嫌われたものとばかり・・・」


視界が、黒く染まった。


檜佐木副隊長が、私を包み込んでいた。


「嫌わない。むしろ逆だ」


「逆って?」


少し、意地悪をしてみた。


「・・・好きだ」


「私もです」




fin.

MAzEfActORyの鵺雲さまに捧ぐ「恋愛下手で不器用な」修兵です。
ぶきっちょにしてみたつもりですが、いかがでしょう。
何だかありがちな感じに仕上がりました・・・すみません。
ずーっと背中向けて話してたのはただの照れ隠しです。
名前呼ぶとこ少なくてすみません!
相互ありがとうございました^^

'11.1.29 up

※鵺雲さまのみお持ち帰り可!






******


うはぁぁぁぁぁ(´д`*)
なんですかこの想像をはるかに超えるぶきっちょな修兵…!!

も、萌える…!!
禿げるほど萌えたんですけど!!!!

ただの照れ隠しとかなんて可愛いんだ…!!!
きっと耳まで真っ赤にしてるに違いないよ!
そんなの見せられたら、その背中めがけて突進すること間違いない(ぇ)


ていうか最後に名前呼ばれたところで完全ノックアウトしたんですけど…(((゚д゚;)))
むしろその一回だけってのが、た ま ら ん

こにたんボイスでしっかり脳内に反響しましてね?
私の中では、申し訳なさそーな顔で、ごめんなって言ってくれましてね?
好きだ畜生!!!!
…あれ、鼻から赤いものが流れt(ry)

なんですか、こんなに私の萌えポイントをついてくるとは…杉田さまはエスパーですか?


あんなわかりづらいリクエストをこんなにステキな作品に仕上げてくださって本当嬉しいです☆
家宝です、家宝。
私じゃ絶対書けない、こんなにステキな修兵をいただくことができて、何とお礼を申し上げたらよいか(>_<)

こちらこそ相互していただいてホントにホントにありがとうございます☆
私もなるべく早く書き上げますので…少々お待ちくださいませっm(__)m

きゅんきゅんしてしまう夢を、ありがとうございましたっ!!


皆様もぜひ杉田さまのサイトに足を運んでみてください♪
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