短編。 | ナノ
0612。





『一護!』

「ぐぇ!!!!!!」



俺の部屋に突然入ってくるなり、寝転んでる俺の上に飛び乗ってきた。

くそ…胃が出るかと思ったぜ…。


「げほっ…お前な、せめて加減して乗ってこいよ…。どうした、親父に何かされたか?」

『ううん、違うの!一護、今日何の日か知ってる?』



なんつーか嬉しそうというか楽しそうな顔をして、俺を見下ろしている。



…何の日だ?
俺の誕生日でも、鵺雲の誕生日でもねぇ。

付き合い始めたっていう記念日…は、まさか忘れるはずもないし。



「ん〜〜〜………悪ぃ、わかんね。何かの記念日か?」

『ぶぶー。残念ハズレ。今日はね、恋人の日なんだって!!』



にっと笑って、俺の肩をぱしぱしとたたき。
どうだと言わんばかりに誇らしげに俺の顔を見る。



…恋人の日?

いまいちピンと来ねぇ。



「…なんで?」

『え?』

「いや、なんで今日が恋人の日なんだよ?」

『……え?』




…知らねぇって事か。
まぁ鵺雲らしいな。

ついそんな様子にくすくすと笑っちまう。


俺が笑ったことで恥ずかしくなったのか、むっと頬を膨らませてまた俺の肩をべしっと叩いた。



『そんなことはいいの!!…ね、一護、恋人の日なんだって』

「ん、さっき聞いた」

『だから、恋人の日だよ?』

「おぅ…?」



んん…?

すげぇ見られてる。

口を真一文字に結んで、じっっと俺の顔を見つめて。


俺はどうしたらいいんだ?



『も〜…、だから、恋人の日ってことは!恋人同士がね?こう…お互いに、愛を語らっちゃったり、なんというか……あぁ、こんなこと言わせないでよ!』



もごもごと口籠もったかと思うと、ぷいっと横を向いた。



あ。拗ねた。

ったく。
しょうがねーなぁ。




「鵺雲」

『ん?…え!?』



そっぽ向いてる鵺雲を強引に引き寄せた。
飛び込んできた鵺雲の頭を、胸に軽く押しつけるようにしながら抱き締める。

頭を撫でてやると、安心したのかふにゃんと笑ったみたいだ。



「よしよし。可愛い奴だな、鵺雲は」

『む?…むぅ。んー…んんー…』


なんか唸ってる。
これじゃ足りねぇってか。


うし。
普段は絶対言わねぇけど。

よいしょ、と体を離して再び俺が見上げる形になる。



「好きだよ」

『…!!!!』



自分から言ってきたのに、顔を真っ赤にして俺を見つめている。

普段は言わない分、余計に照れてるらしい。


つーか…お互いに語らう日なら、やっぱ鵺雲からも聞かなきゃだよな?



「なぁ、鵺雲は?」

『うぇ?』

「俺に言わせたんだからさ、言ってくれてもいいんじゃねぇ?」

『…うっ』



しばらくぶつぶつ言いながら戸惑っていたけど、どうやら観念したらしい。

顔を赤くしたまま、小声で『好き』と言ってくれた。

そのまま俺の胸に顔を埋めて足をばたばたさせてる。


…ホント面白いっつーか…可愛いすぎ。

声を抑えて笑っていると、胸の辺りから鵺雲の声が聞こえてきた。



『…ね。一護、もっかい言って?』



…そんな目で見んなっての。
ま、今日はある意味特別だし…言ってやってもいいか。



「好きだ」

『もっかい』

「鵺雲が、好き」

『あと一回』




「愛してる」




『なっ……え?あの、なん、バカ!!!!』

「いって!!」



…殴られた。

でも。
万更でもないみたいだ。


こんな鵺雲が見れるなら。
毎日が恋人の日でもいいのに、と思った。








end.



書いてて恥ずかしくなった!!!!

今日が恋人の日だって知って、突発的に書いてしまいました((((゚д゚;))))


文章がアレなのは、もう笑い飛ばしてやってください…!
でも一護に溺愛されたい管理人の妄想はがっつり詰まってます☆

少しでもきゅんきゅんしていただけたらうれしいです。



ここまで読んでくださった鵺雲様、ありがとうございましたm(__)m
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