「エースゥゥゥウウウ!!!!!」

「ぅをっ!?」


バンッ!と部屋のドアが開き、叫び声と共にベッドに寝転んでいたおれの上に遠慮もクソもなくダイブしてきたルフィをかろうじで受け止める。
読んでいた本が床に落ち、ベッドが重みと反動でギシリと悲鳴を上げた。


「ルフィ!危ねェだろ!」

「エースッ!とりっくおあとりーと!」


学校で友達にでも聞いてきたのだろう。
いつもの如くおれの話をスルーして、腹の上で楽しそうにはしゃいでいるルフィがハロウィンのお決まり文句を叫んだ。


「シカトかよ!つーかお前、今のめちゃくちゃ平仮名だっただろ」

「ん?ひらがな?なにがだ?」

「本当は英語なんだよ。"Trick or Treat" が正しい発音。もう一回言ってみ?」

「とりっくおあとりーと?」

「変わってねぇし!」


ふははと笑うと、悔しそうに眉間に皺を寄せたルフィが「とりっくおあとりーと」と何度か呟いている。
しかしルフィが上手い発音なんて出来るはずもなく、相変わらず平仮名だ。


「舌の使い方がなってねぇんだよ」

「ふーん。…じゃあ舌の使い方、教えてくれるか?」


今までの無邪気な表情から一変し、挑発するように口元を歪めて口唇を舐めたルフィに、おれもニヤリと口角を上げる。


「手取り足取り教えてやるよ」



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2012年ハロウィン小説!
ハロウィンあんまり関係ないのは秘密(笑)


※2012.10.31までフリー小説



2012.10.22




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