エ←ル



ふと、頬に触れられた感触で、遠退いていた意識が浮上する。

いつの間にか眠りについていたらしい。
そのまま目を開ける事なくされるがままにしていると、エースの親指が目元を優しく撫でる。


熱く、優しい大きな掌。
この掌を独り占めする事など自分には許されない。
また、願っても一生出来ない事なのだ。




だから、せめて今だけは。
 


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エ←ル
ルフィの片思い



2012.10.09



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BLコンテスト・グランプリ作品
「見えない臓器の名前は」
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