「今日は何処いくんだ?」
「ーー、秘密」
そう短く答えて、ルフィをバイクの裏に乗せ家から大分遠くまできた。ビルばっかりだった景色から、木がお生い茂っている様な道へと進んでいく。ぎゅっと腕が回されているところだけが暖かく感じるような高い場所へと進んでいく。
「ーー、ついたのか?」
「いや、こっからは少し歩くぞ」
「!冒険か!」
目を輝かせて、バイクから降りるルフィに呆れた様にため息をつく。ここ何処だ、とか、木ばかりだとはしゃぐルフィの手を掴み、来慣れたように山道を歩いていく。その間も騒いでいるルフィだが、手を離す事はなくしっかりとついて行く。
「ここだ」
「ん?」
随分と歩いた先にある、小さな家…と呼ぶにはボロボロな家にルフィは首を傾げる。何でこんなところに、とは思ったが口には出さない。きっと何かがあるから連れてきたに違いないとわかっているから。
「何があるんだ?」
「入ってみりゃわかるさ」
ギィ、とドアの開く音が響く。所々が朽ちていて、お世辞にも綺麗とは言えない家。特に変わったものもなさそうだと上を見上げてルフィは思わず声を上げる。
「わぁ……!」
外から差し込む日の光が色とりどりのステンドグラス通して、とても幻想的に見える。建物はボロボロだというのに、その場所だけがまるで別世界とでも言うように光って見える。
「綺麗だろ?」
「おう!すげーな、これ!」
ニッ、と満面の笑みで答えるルフィの頭を撫でてやると気持ち良さそうに目を細める。その様子を目を細めて満足そうに見つめるエース。
「なァ、ルフィ」
「ん?」
「俺たち、もういい歳だよな」
「?おう?」
エースのいっている意味がわからず首を傾げる。いい歳、と言えばルフィは今年22になり、エースは25になった。一緒にいるようになって、恋仲になって何年経ったかはよく覚えてないが改めて言われるとすごく一緒にいるな、なんて思いながらエースの言葉を待つ。
「俺さ、考えてたんだ、ずっと」
「ん?」
「世間では認められねェしさ、これから先も色んな人に公開できるわけじゃねェ」
ジッと目でルフィを捉えたまま、真剣な顔でそう眈々と話すエースを不思議な顔で見つめるルフィ。
「お前に、普通の幸せをあげた方がいいんじゃないかって悩んだ事もあった。お前を手放した方がお前が幸せになるんじゃないかって悩んだりもした」
「なっ、」
バカな事言うな、と続けようとしたのが言葉にならなかったのはエースに強く抱きしめられたから。
突然の事に目を見開き驚く。
「エー……、」
「…でも、ダメだった。俺が、嫌だったんだ。お前を誰か他の奴にやるなんて。お前が誰かの横で幸せそうにしてるなんて耐えられなくて」
「………、」
苦しそうにそう言うエースにかける言葉が見つからず、ゆっくりとエースの背中に手を回す。
ぎゅっと力を入れて抱きしめ返すと、それに答えるようにエースの腕にも力が入る。
「…だから、ここに来たんだ」
「…?」
「結婚式なんてあげてやれねぇけど、綺麗な場所じゃねェけど」
ゆっくりとルフィから体を離し向かい合う。不安そうな顔をしたルフィに一瞬だけ微笑むとルフィの左手をとり指輪をはめていく。その様子をジッと見つめるルフィ。
「……俺と一生一緒にいてほしい。結婚してくれ、ルフィ。お前を幸せにする為なら何だってする」
そう言い切ると、ルフィは少し驚いた顔をした後嬉しそうにエースと指輪を交互に見る。
「俺、結婚式なんてしなくたっていいし人に言ったりもしなくたっていい。俺、俺はエースがいてくれるだけで幸せだ!」
そう言ってエースの胸へと飛びつく。恥ずかしさをごまかす為胸元に顔を擦り付け、強く抱きしめる。
「……ヨロシク、お願いします」
「……ルフィ、」
エースもルフィを強く抱きしめ返した後、どの位経ったかはわからない。お互いが強く抱きしめあったあとどちらかが言うわけでもなく見つめ合う。
エースはルフィに吸い寄せられるように。
ルフィはエースを受け入れるように。
重なった二人の影は、ステンドグラスの光で虹色に輝いてみえた。
(長い恋がようやく終わった)
恋が終わり愛に変わる。
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【ななころび】の蓮さんより、3000hitフリー小説強奪してきました(^q^)
なんですかこの2人!
けしからん!大変けしからん!萌えすぎてけしからん!!
25×22なんて!!わたしの大好物すぎてけしからんよ!!!
蓮さん!
3000hitおめでとうございます!!
これからも更新楽しみにしてまーす^///^
2012.09.19
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