※サンル
※大学生×高校生なイメージ





「やべ、タバコ切れた」


テーブルに置かれていたタバコの箱に手を伸ばすと、中には最後の1本しか入っていなかった。
俺としたことが迂闊だった。
時計はもうすぐ日付が変わる時間を指している。


「ルフィ。そこのコンビニでタバコ買ってくるな」


ベッドの上で寝そべってお気に入りのアニメを見ているルフィに声を掛け、財布とライターをポケットにねじ込む。


「おれも行くっ!」


おれの声に反応したルフィが、テレビの電源を消した。
そして、ベッドから勢いよく起き上がりバタバタと玄関へ向かう。


「いーけど、すぐそこだぜ?」


コンビニまで徒歩10分。
めんどくさくないか?











「ありったけの〜ゆ〜めを〜♪」


タバコと強請られて買ったお菓子が入ったビニール袋を振り回しながら前を歩くルフィ。
先程まで見ていたアニメの歌を唄いながら楽しそうにしている。

何がそんなに楽しいのか。
タバコをふかしながらその姿を見ていると、不意にこちらを振り向いた。


「なぁ、サンジ」

「あ?」

「こうやって夜一緒に歩くのって、"コイビトドウシ"みたいだな!」


しししっと嬉しそうに笑うルフィを見て、思わずタバコを落としそうになった。

…というか、みたいじゃなくて恋人同士なんですけど。


「ルフィ」

「ん?」


細い腕を引っ張り、ちゅっと触れるだけのキスをする。
頭ひとつ分小さいルフィがなんとも間抜けな表情でこちらを見上げている。


「たまにはコイビトドウシ、みたいな事もいいだろ?」


ぐしゃっと頭を撫でて薄く微笑み、一人先に歩き出す。

少しすると、やっとされた事が理解出来たらしい。
顔を真っ赤にしたルフィがこちらに向かって走ってくる。


「サンジのアホーっ!!」


ここ、外だぞ!という言葉と共に、背中に衝撃と重み。


「お前こそ、ここ外だぞ!おんぶなんて恥ずかしい事やめろ!」

「サンジからしてきたんだろ!!このまま家まで行けー!」


先程の真っ赤な顔はどこへやら。
ぎゃあぎゃあと言い合いになったが、こちらが折れて大人しくおぶってやれば、今度は背中で楽しそうにはしゃいでいる。



「なあ、サンジ」

「あ?」

「よく考えたらおれ達、コイビトドウシ“みたい”じゃなくて、“コイビトドウシ”だな!」

「…今更かよ」

「だからおれもちゅーするっ」


そう言ったルフィが首に回していた腕の力を強め、頬に唇を押し当ててくる。
軽く触れるような優しいものじゃなくて、ちょっと長めの乱暴なキス。


「……お前なあ、」

「しししっ。早く家着かねぇかなー」


足をばたつかせながら更に首を強く抱きしめたルフィが、楽しそうにまた歌を唄い出した。





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ルフィは女の子顔負けなくらい可愛いので、女の子好きなサンジさんも骨抜きだと思います。




2012.07.17





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