※サンル
※原作設定
「なあ、サンジ。それってうまいのか?」
夕食の後片付けのを済ませて一息ついていた頃。
温かいココアが飲みたいとキッチンに入って来たルフィにココアを差し出し、明日の朝食のメニューを考えていた。
そのココアをテーブルで大人しく飲んでいたルフィがこちらをじっと見つめ、不意に尋ねる。
「タバコか?別に旨くはねぇかな」
読んでいた料理本から顔を上げ、問われた内容について考える。
昔粋がって吸い始めたタバコは今や欠かせないものとなったが、旨いと思った事はないかもしれない。
もはや身体の一部だ。習慣とは怖い。
「ふーん。…一口くれ!」
テーブル越しに座っていた身体を乗り出し、目を輝かせている。
自慢じゃないが、うちの船長は興味を持った事に関しては執着心が半端ない。
あー、面倒くさい事になった。
「お子様には早えよ。ココアで我慢しとけ」
「…!おれは子どもじゃねえぞ!それぐらい吸える!」
どうやら地雷を踏んだらしい。
もう17歳だの、大人だの、ココアは大人だって飲むなどと、ぎゃあぎゃあ暴れているルフィに溜息をこぼす。
そこがお子様だっての。
「あ―もう、うるせぇなぁ」
未だじたばたと暴れている腕を引っ張り、ちう、と吸い付くように唇をくっつける。
驚きから大人しくなった身体を更に引っ張り、薄く開いた唇から舌をねじ込む。
逃げるルフィの舌を絡めとると、んっと小さく声が漏れた。
最後に上唇に優しく触れて、ゆっくりと離れる。
「…にげぇ」
「ほら、言わんこっちゃねぇ」
しかめっ面で舌をべっとだしたルフィが、ぬるくなったであろうココアを飲み干した。
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こんな暑い中、温かいココアだって?
はい。冬島の近くって事で!(笑)
2012.07.05
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